| 夜明けの時間と 「あい」 なりました。 |
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「鬼三神」 |
| 1.はじまり | 2.イザナギ | 3.手箱山 | 4.祠(ほこら) | 5.龍王の顕現 |
| 6.舞い上がる鷲と 舞い降りる神 |
7.4つのキーワード | 8.天空上帝 | 9.夜明け神示 | 10.融合・和睦 |
作 KISANGI
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1.はじまり 宇宙空間の法秩序にささえられ、転げ落ちることもなく浮かんでいる美しい地球。 しかし、その表面に育ってきた人間により、少し汚されていた。 そんな人間世界の新しい『夜明け』の物語。 ※ ※ ※ ONIは、いつものように深夜眠りにつこうとフトンを体にかぶせた。 その3秒後、異変は起こった。 目を閉じていたはずのONIの目に 天井を通り抜けて青白い柱のようなエネルギーが降りて来たのが観えた。 「なんじゃ、こりゃ」とは思ったがONIは少しもあわてなかった。 様子をみてやれと思う余裕があったのだ。 さすがONIである。 青白い柱のようなエネルギーは、観えつづけていた。 やがて、その中を人の形をしたような「存在」がスッと降りて来た。 ONIは、「ついにワシの所にも神が・・・。」と、思ったらしい。 が、しかし、その神?は、ONIの体を踏みつけ始めたのである。 「ドンドンドンドン」 「なんでやぁ~」ONIは、読めない展開に少しとまどっていた。 しかし、柱の中の存在は一向にやめる気配がない。 それにしてもイタクもかゆくもないのはどうしたことか、 こういう時は落ち着け、落ち着け。 神は柱と習った通りではないか。そう思いながらゆっくりと目を開けてみた。 豆電球の明かりがボヤッと見えていた。静かな気持ちでまた目を閉じてみた。 青白い柱はやはり存在し、中で何らかの「存在」がドンドンと足で何かを踏み付けている。 「ん~っ、体と存在の間に透明のコンニャクみたいなカベがあるぞ」 ONIの体、そして青白い柱、その間にあるコンニャクみたいな境界。 これを振動させている「存在。」 「なんなんだ」と思いつつ目を開けると何もない。 しばらくしてからもう一度目を閉じてみた。今度は何もない暗闇だった。 普通なら何らかの意味を考えるはずだが、ONIは違っていた。 「やっと寝れる、おやすみ」 ※ ※ ※ ONIは、翌日もこのことを誰に話すこともなく機嫌よく仕事を終え、ひとっ風呂浴びて また深夜、寝る体制を整えた。 「さぁ、寝よ、今日もありがとう、明日もよろしく」 と、軽く祈りを捧げたはずが、何故か寝付きが悪いので数分後、目を開けてみた。 「ありゃ、なんやこれ」 部屋の中に緑色のもわもわした雲みたいなエネルギーのような何やわからんものが浮かんでいた。 あわてて目をパチパチしてみたONIだった。 しかし、こいつは目を開けても閉じても観えていた。 「これは強力なやっちゃで」 しかし、何も起こらなかった。それは、そこに存在するだけで、もやもやしてるだけだった。 「どうかしたん?」 となりで早くから寝ていたエリザベスが目を覚まして言った。 「いや、変な緑色の雲みたいなのが観えてこまっとんや」 「あぁ、それやったら癒しのエネルギーだから、ただ包まれてたらいいのよ、 深呼吸と感謝を忘れずにネ。」 「へえ~そんなもんか、そう言われたら、何とのー 気分が良うなってきたぞ・・・」 「ウ~ン、エエワイ、こりゃあ気持ちええ、さあ寝るか」 ※ ※ ※ 翌日、いくぶん調子がいいような気もしたが、いつも調子のいいONIには、 はっきりとした変化はあまり感じられなかった。 そして、その夜もまたいつものように寝たが、 10分か20分で目が覚めてしまったONIだった。 「おかしいねゃ」「なんかへ・・ん んっー」「 !! 」 声が出なかった。それが出現した時、さすがのONIも息をのんだ。 エメラルドの透明感ある輝きにふちどられたその存在は、神々しいとさえ思えるのだった。 「あっ、スーパー○□神やんか」 ONIは、その存在が、S氏の本『超無限創造神』の表紙の中央に描かれている“神”の イメージ画とそっくりであることに気がついた。 それで、いくぶん落ち着いてきたし、親しみまで感じられたという不思議な心模様を 味わっているONIだった。 そして、観察してみようと思ったONIは、今度は目を閉じてみた。 “彼”は、はっきりそこにいた。 目をおそるおそる開けてみた。やはり、存在していらっしゃる。 目を開けても閉じても観えるではないか。 不思議なことにだんだんと、おそれおおいという気持ちが湧いてきた。 これが神威というものか。 「いかん、いかん、ちょっとトイレにでも行ってから、瞑想してだ・・・」 「メッセージを探ってみんといかんようや」 そう思うと、ゆっくり“彼”は観えなくなった。 「ふぅ~」ちょっとよかったと思ったONIは、一応目を閉じてみた。 “いらっしゃる” 肉眼では見えなくなったが、意識の世界ではまだはっきりとお観えになっていた。 ONIは、プルプルと頭を振ったあと立ち上がりトイレに行った。 「あ~気持ちええ」 まさかここでも観えるってことはないやろなと思いつつ、おそるおそる目をつぶってみた。 「いらっしゃるやんか~」 同じ色、同じ形が心の目に存在していた。 こりゃ~瞑想すれば、何かえーメッセージが聞けるに違いない。 そう思ったONIは、いつもより少し足早に部屋に帰り、瞑想の定位置に座って深呼吸し、 “彼”のメッセージに耳をすました。 5分、10分、30分、何事もなく過ぎ、朝が来て、小鳥たちがさえずっていた。 ONIは、フラフラになりながらポツンとつぶやいた。 「こっちに何の選択権もない・・の・・か・」 “彼”は、一度も姿を現すことさえなかったのだ。 この時、ONIの脳裏にヨーさんの言葉がよみがえった。 「UFOにしろ、何らかの姿にしろ、向こう(上)が観せてくれているんだからね、 そこを取り違えないように、秩序を観る。」 「フゥ~」 深いため息とともにONIは、無言のまま眠りについていた。 ※ ※ ※ 地球文明が未開文明(戦争のある星)から親交世界(愛が基本の世界)へ変わっていくさま。 それを夜明けにたとえた話がある。 もっとも暗いのが夜明け前。 もっとも闇が深いのが夜明け前。 まことしやかにこんなことが言われている。 いつ、だれが、どこで本当の夜明けの型を行うのか。 いったいだれが“神”の目にかなうのか。 もはや“とんでもないやつ”なのかもしれない。 神の宇宙は“何でもアリ“だからな。 制限の強い者を“神”は好まず。 心底、他を喜ばせ笑わせながら自己を探求する者を神は好むと伝えられる。 いずれにせよ、日本の四国と呼ばれる聖なる島で何かが起ころうとしているのを、 三千世界の神々も60億の“上”も固唾を飲んで見守っているのだった。 そして世界は、本当に四国が特別な場であったことを思い出しはじめることになる。 以下 イザナギへと続く |
「観える」 ここでは、意識の世界での 情報は観えると表記している。 意図的にだまそうと 思っているのと 気が違っているという レベルを除くと その人が観える というものは実際にそこに 存在している事が多い。 ただこの観えたものを どう解釈するかである。 そしてどう人生に取り入れ 楽しく生きるかである。 実はそのことが 最も大事である。 にもかかわらず せっかくの情報もうまく解釈されないままの場合が多いのは 「観えるものは情報」 というとらえ方が 出来ていないからだろう。 もちろん この情報の解釈は 個人的資質によっても 違ってくる。 観えた人はその解釈を 自分なりに学んでいくことが まずは大事だ。 ※ ※ ※ ブッダの教えで 求道者が使っていいのは 6種の能力の内 テレパシー能力と 前世等を観る能力の 2つであるとされる。 確かにこの能力は人を 教化するのにも 自分が体験を積むにも もってこいである。 ここで「観える」 というのはこの2つの能力の 初期の顕現ということにも なるのである。 ※ ※ ※ 実際の観え方は 本文を参考としてもらいたい。 そして観得た情報を ワクワクに従い 解釈し行動を続けると このような物語になった。 楽しんでもらえれば 幸せだ。 |
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2.イザナギ 翌日、ONIは、多少睡眠不足ではあったが、元気よく仕事をしていて、 この3日間の不思議な出来事もすっかり忘れかけていた。 そんな時、ふとカレンダーが気になったONIは、カレンダーの方に目をやった。 するとその時、小さな白い光が飛んで来て8の所でやわらかく光って消えた。 「んっ、なんや」 一瞬驚いたONIだったが、こんなホタルの光を白くした光が何やと言うんや・・・ このメッセージの意味を考えんとイカンのや、じゃないと枝葉末節にハマるんや、 ワシはそんな甘うないでなどと心中思いながらつぶやいた。 「今日は、4月8日かよ、1週間レンタルしたら4月15日が返却日やな・・」 (他にあるだろう)”上”は思ったに違いない。 「お~いポール、今日は何の日かいのー」 ポールとは、新入りの若いしのことである。 「ONIさん、今日は花まつりって、こっちのカレンダーに書いてますよー。」 「花まつりと言えば、おシャカさんの誕生日か・・・」 「4、5、6、今日が7、んっ、みな夜中で日が替っとったから、5、6、7か・・・ん~」 「567ねぇ・・・」 結局、何もわからないままのONIだったが胸のまん中を見えない波が、出たり入ったり しているような、変な感じを1日中感じ続けているのだった。 ※ ※ ※ それからしばらくして、ド坪がやって来た。 ド坪は、おもしろいおばーさんと知り合ったと、ONIに目を輝かせながらしゃべりはじめた。 「その新居浜に住む、おばーさんはですね、何人かの仲間と毎月のように天河に行くらしいです」 「天河って、あの天河か」 「そう、あの天河ですよ」 「ふぅ~ん、やるのー、そのおばーさん」 「で、そのおばーさんが、あんた里は、というので、今治ですよ。と言ったら、今治やったら、 龍神社行きなさい。あそこはいいですよ、社は小さいですけどね、ほんとにいいですから。 ある有名な神社の宮司さんもよく来てお参りしてますよ。 て、言うんです。」 「それで、行ったんか」 「いや、気にはなったんですが、まだ、行ってないんですよ。」 「それ、いつの話や」 「もう、かれこれ半年ぐらい前ですか。最初は・・・」 「ちょっと待て、ところでその龍神社ってゆうのはどこにある?」 「菊間の方やと思うんですけど、海岸線のあたりやろか」 「そういうことはちゃ~んと聞いとけよ」 ONIが少しはがゆそうに言うのを見て、ド坪は言った。 「ONIさん、何か、あったんやろ」 「いや、何も・・・」 「うそやぁ~、何かあるね、間違いない。」 「わかった、他言せんなら教えてやる。」 意外にも、隠し事ができないONIだった。 ※ ※ ※ 「実はの・・・」 から始まり、ここ数日で自分の身に起こったことをド坪に話して聞かせてみたONIだった。 「そりゃあ、大事(おおごと)やでONⅠさん」 「ほうかぁ~、大げさなやっちゃのー 普通やろ、これくらいは。」 ド坪は、自分のどこかが霊的畏怖を感じているのを黙ってかみしめていた。 ONIは、他人に話して、はじめてその反応を見ることで、 なんか霊的世界は言葉にしにくい感じを味わっていた。 しばらくの沈黙のあと、ド坪がヒラメいたように言った。 「そうだ、”ヨーさん”に相談したら」 「”ヨーさん”今、どこか知らん」 「S氏には?」 「もっとしてから言うつもりや・・・」 「わしらで考えて答えを出さんといかん」 「わしらて、ONIさん、僕も・・・」 「そりゃそうよ、Kが来たらKにも話して3人で考える。それで、わしらやんか」 そんな話で2人に笑いがもどって来た頃、ホラーのKもやって来た。 それを見て、ONIは、「のっ、うまくできとるやろ」 「ホント、スゴイタイミングで」とド坪。 何も知らないKも、それを聞いて何かあったなと、すでに野性の勘で察知しているのだった。 ※ ※ ※ 「よし、わかった」 ホラーのKは自信を持って言い切った。 「何かわかった、Kさん?」 「いや、話の内容がわかったと言うことやけん、深い意味なんかはサッパリや、こりゃ、 Tー130氏に電話して聞いた方がええんとちゃうか」 T-130氏とは、”修行者3人が行く”の著者で、カツさんと2人”ヨーさん”に連れられて あちこち旅をしてきた人である。 「あっ、それええねー」とド坪がうなづいた。 「ほうやの・・・」とONIもうなづいた。 「じゃあ、少しまとめましょ」と、ド坪がしばし仕切ってうれしそうな顔をして言った。 「まず、4月5日の午前3時頃に、青白い柱が意識の世界に降りて来た。つづいて、 その中にある存在が現れた。そしてその青白い柱の中の存在が何をするかといえば、 ONIさんをドンドンドンドンと踏みつけた・・・」 「なんやと人聞きの悪い、ただの舞や舞」 「まあまあ・・」 「そしてよく見るとONIさんの体とその存在の間にコンニャクのような感じの境界があって、 その境界をドンドンやって振動させてるように見えたと・・・」 「その通り」 「そして翌日は、緑のモヤモヤとした雲状のエネルギー体?が部屋じゅうに存在し、 部屋は緑の霧みたいな雲みたいなのでいっぱいになったけど、別に何もなかったと、 ただ異変に気付いて目を覚ましたエリザベスさんが、 それは癒しのエネルギーよと言ったと・・・。」 「まあ、そんなこんなで、5、6、7、の7日の午前3時。 『無限創造神』が現れたと、 しかし、現れただけで何のメッセージも聞けずじまいで、 瞑想していたらそのまま寝てた、ということですね」 「まあ、そんなとこや」とONIは苦笑いした。 「よし、電話しょ・・・ONIさん、他に言い忘れてることない? 電話するよ」 と言いながらホラーのKがケータイをとり、開こうとしたその瞬間、ONIが叫んだ。 「アッ!!思い出した、きれいに忘れとった。」 「エェ~」ド坪とKの2人もたまげて言った。 そんな2人の驚きをよそにONIは思い出したことをすぐさま語り始めた。 ※ ※ ※ 「あれは、確か2月の節分の頃やったと思うが、わしは嫁と2人で朝倉のこんぴらさんの方へ 向かって頓田川沿いを車で走っとったんや、夜の10時頃や。そしたら、突然 20~30m上空を何かがゆっくりと横切っての、これがもうきれいな発光体なんや。」 「シップ?(宇宙船の意)」 「いや、はっきりわからん。ただ低空を右から左へ霊仙山の方へ飛んで行って消えよった…。 ピカ、ピカというより、何か柔らかい光が何色か3色か4色ぐらい光っとった。 なんとなく、わしらにアピールしたようにも感じたのー。」 「2人とも見た?」 「エリザベスも見たと言うので、2人で目の錯覚やないと言い合ったもんや」 「で、その”光る虹色”は何やろ」 「んっ、そうやの、その直後、わしも今の何やろと思ったらの・・」 「うん、うん」 「心の中で声がしたんや、不思議なもんやで」 Kとド坪は、もう聞きたくて、聞きたくてしょうがないという目でONIを見つめていた。 ONIはいたって真面目な顔でこう言った。 「『イ』『ザ』『ナ』『ギ』と確かに聞こえた。」 2人の頭上から気が噴き上がったように、ONIには見えた。 それもそのはず、イザナギとは日本神話の神の名、しかも国生みの神で、アマテラス、月読、 スサノオの三貴神を生んだ神でもあるから、2人のアゼンは当然だろう。 バシャールでもエササニでもシリウスでも金星でもプレアデスでもなく、突然不意を打たれた この答えに、2人はしばらく声がなかったのである。 もちろん、実際にこれを体験した時のONIも同じようなものだったが、そんなことを語る ONIではなかった。 ONIは、この話をすると同時に、その時の自分自身、つまり、「イ」「ザ」「ナ」「ギ」 という思いもよらぬ答えに、戸惑いつつもここを出発点にして何かがあるかもしれんなと 予測していた自分がいたのを確かに思い出していたのだった。 もちろん、こんな大事なことを、今まで忘れていた自分は、しっかり棚に上げるつもりの ONIである。 ※ ※ ※ 「イザナギとは・・・何かある、コレは・・・」と神妙な顔でK。 「”上”で何か起きてますね、たぶん」とド坪。 「・・・・」だまっているONI。 T130氏への電話はひとまず中止し、もう少し様子をみながら各自、 独自調査をするということで、その日は帰ったド坪とKだった。 しかし、この時すでに、”ヨーさん”や修行者達が言う”手の手配”にすっかりはまっていることを 3人は知るよしもなかった。 こりゃーいったい、どーおさまりがつくんかーと思いつつ ~つづく~ |
「壺中の龍王」が よりおもしろくなる 「修行者3人が行く」 本当は全部 読んでもらうのが 一番だがその中でも 必読作はこれだ。 剣山 扉 宮島へ 海に立つ鳥居 今治市朝倉の「満願寺」 こんぴらさんを 勧請しているので 地元では朝倉の 金比羅さんとも呼ばれ 親しまれている。 |
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3.手箱山 4月24日がやって来ていた。 ONIは、宗教書はほとんど学んでいたが、今回の「イザナギ」事件をキッカケにもう一度、 会社の書庫のS氏のコレクションも含めて、気になるものを読み直してみようと 事務所にやって来ていた。 「これこれ、日本神話に神道の本、これでイザナギのことはわかるやろ」 そう言って、ふとふり返ると、また小さい白い光が飛んでいた。 ONIがその光を眼で追うと、光はある本の近くで輝いて消えていった。 時間にして3秒ほどの出来事だった。 「また、あの光か・・・いったいなんじゃ、ありゃ」 とか言いつつ、光が輝きを放った場所にある本に手が自然に伸びているONIだった。 「神仙道~」 「あまり興味なかった分野やないか」 しかし、そう言いつつもパラパラとページをめくって行くうち、 すっかり集中しきってしまう単純さが、ONIのいい所でもある。 『なんやて、四国にそんな所が、ホンマか!!』 このONIの心の声は、すみやかに天に届いていた。 ※ ※ ※ 翌日、ド坪がやって来て、話がはずんだ。 『イザナギ』をキーワードに、日本の神話で2人は何時間も語り合った。 そして、日本の神話も案外おもしろいと気づいたのだった。 「しかし、神話もエロいし、グロいし、とんでもない話ばかりやのー」 「まあ、世界の神話も似たりよったりですけどね」 「そうすることで真実の一部を長く伝えられたのかも知れんな」 「えっ、真実とは・・・」 「国生みの話とか、考えてみィーや、この世に姿を現さない神々、別天神(ことあまつがみ)は、 神代7代(男女ペアで一代)の最後に生まれた、イザナギとイザナミの神に、 世界はおおよそ形が出来たが、まだ完全ではないと「天の沼矛」(あめのぬぼこ)を授け、 完璧にするよう命じるわけや、それで、夫婦神は、「ヌボコ」を下界にさしおろして 「コオロコオロ」や、そしたら、したたる塩かなんかがこり固まって島が出来て、おのごろ島や、 夫婦神はここに天降って、夫婦の交わりをする、最初はうまくいかず、なんでやと、 別天神の神々に相談すると女から誘ったのが良くない。男のイザナギが先に誘えというわけや… なっ、まずここまでは・・・」 「うん、うん」 意外にもうれしそうに話をするONIの表情を見ていて、ド坪もなんとなく うれしくなってきていた。 「つまり、神々は最初から人間を造るというのが目的、または、目的の大半として あったということや」 「うん、うん」 「なっ、そういうことや、違うか」 「いや、その通りで」 「それでそのあとにたくさんの神々を生み、国を生むわけや、人間に必要なものをな」 「まさか、そうするとですよ。最近の精神世界で語られている話と似ている所が ありますね。たとえば・・・」 「あっ!!ちょっとまて、わしに言わさんかい」 そう言って、ド坪の話をさえぎり得意満面にONIは話し始めた。 「まあ簡単に言うとこうや。神々は、人間を造りだすという目的で、まず地球の環境に細かく 手を加え、遺伝子操作により、試行錯誤を繰り返したりもしながら人間を造り、人間の生活に 必要なものも作り出したということやろ」 「う~ん」 「あっ、言うとくけど証明はでけんので、よろしく」 「ぷっ・・・」 「ワハハハ・・・」 2人が大笑いしているとKが勇んでやって来て言った。 ※ ※ ※ 「K調査によると、イザナギとは、イザナミの旦那で、イザナミが一番最後に火ィーの神の なんとかを生んだら、アレが焼けてもーて、イザナミは死んだというか、ヨミの世界とやらに 行ってもーたんじゃ。そしたら、イザナギが怒って火の神の首をハネたんや。 するとその飛び散ったもんからも神が生まれたらしい。 しかし、イザナギは、それでもおさまらず、 ヨミの国のイザナミに会いに行って、国生みの続きしよーや言うんやけど色々あっての、 結局ケンカになるって話での、まあ~よーわからんのよ・・・ ただの、日本の神話の解釈ちゅうのは、諸説あるらしいというのはわかった。 たとえば、南方から来た部族が、先に住んどったアイヌ系や沖縄系、昔でいうと隼人とか熊ソ とかを征服して、元々の自分らの大陸の神話に、征服した一族の神話も取り込んで、 当時の権力に都合の良い形でつくったとか」 「あっ、それは聞いたことありますよ。アイヌ語の『カムイ』は、神を現わす言葉で、 カミの語源ではないかと言われているんですよ」 「おいおい、今日はそういう話と違うやろ」 ONIは、Kとド坪の話をさえぎって言った。 「しかしですよ、ONIさん。大和民族はですよ、中東の方から陸路や海路で日本にやって来た 民族で、戦いや権威が大好きな民族だとか、真の日本人の魂のルーツは縄文にこそあるとか、 それこそ諸説色々ですよ」 「それは知っとるよ、Kよ」 すると今度はド坪が語り始めた。 「キーワードは1万2千年以上前というのがあって、エジプトのピラミッドやスフィンクスは、 そんな頃から立っていたとする説や、ムー大陸が戦争や競争の否定的エネルギーに満ちて、 一夜にして海に沈んだ時、その生き残りの一団が日本にも来て縄文文化をつくった人々で、 その末えいが大陸から来た一団に追われた説もあります。それと、エジプトのピラミッドは アトランティスの生き残りの人々が造ったという説も、そして彼らも東へ行ったとか本当に 諸説あるんですね、歴史というのは」 「歴史は勝者が書いてきたってことや。しかし、それで敗者の歴史が宇宙から消えはせん、 心配いらん」 何故か怒ったようにONIは言い放った。 それで、パッと場が変わった。 「とにかく、原点、神話、イザナギや。バシャールはこう言うとるで、『あなたがたが神話、 おとぎ話と呼んでいるものの中にこそ真実を伝えているものがある』と。 「そこでや、わしの話、ちぃーと聞いてみいや。おもろいけんの」 と言って、ONIが何かを秘めたような顔をしながら口を開いた。 「Kよ、イザナギ、イザナミの2神は、おのころ島で国生みするんやが、このおのころ島は 2神が交わり国生みの目的でつくったものやから置いといて、この次が大事や。 なぜなら、神が人間の為に最初につくった島(場)やからの、それはどこか知っとるか?」 「もちろん知っとる。イヨのフタナ(四国)やろ」 「そうや、そのあと、色々な島や本州とかを造るんや」 ONIは、ニッと笑って、「四国や、四国。」 「未開文明(戦争のある星)脱出の秘密は四国に隠されとんや。」 と、うれしそうに言った。 そして、こうつけ加えた。 「まあ、この話は、そこで置いておく」 「えぇー」 ※ ※ ※ 「実はこの前、気になる本があったんで開いてみると、そこには何と、神仙道と書いとんや」 ONIは、白い光に導かれたことは言わなかった。 「まあ、それがこの本や。それとこれ、こっちは、さらに詳しいのをわしが買ってきた本や。 この2冊のここらへんを読んでみ」 そう言って2人に本を手渡すONIだった。 しばらく、本をじっと読んでいた2人が新しく入った情報をシェアするかのように話し始めた。 「大山祇(おおやまづみ)の神からの神示を受け、霊峰石鎚山系手箱山を開いたミヤジトキワ そしてその子カキワ・・・」 「この手箱山こそ神仙界と人間界の気線をつなぐことを許された仙山・・」 「石鎚山系ということはやっぱり四国か、・・スゴイなこりゃ・・」 「地球神仙界で最高の権威は、イザナギ・イザナミ両神やけど幽冥界から現界まで一切を 統轄しているのは青真少童君(せいしんしょうどうくん)で、この神が事実上のトップか」 「なんかS氏の名前に似てる所がコワイね」 「この日本神仙界の巨星と呼ばれるミヤジ親子2人とも、神仙界の天の機密は人間界に もらしてはならないという絶対的ルールを破り、晩年、弟子にもらすという過ちがあって、 2人とも何年も寝たきりになったって出てるよ・・・」 「身体も動かず、口も開けずか…」 「まさにアゴ落としの強烈な奴ですね」 『アゴ落とし』とは”上”の意に反することを行う時などに起こる様々な現象を総称して、 3人が名づけた言葉である。 ※ ※ ※ そこでONIが口をはさんだ。 「Kよ、手箱山の位置、アクセスもろもろ調べておいてもらいたい」 「よっしゃ、わかった」 「ド坪は、仕事してたらえーことあるで。」 「えっ」 4月はあまり売上が伸びず苦しんでいたド坪だったのだ。 このド坪に『手の手配』がどういうものか 容赦なくわかる時が刻一刻と近づいていたのだった。 ~つづく~ |
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4.祠(ほこら) 世間ではゴールデンウィークなるものが始まっていた。 ONIは、自分の心が、妙な静けさを保っているのを感じていた。 それは、サエているという感覚でもあった。 その時、ふとひらめいたことを口にした。 「石鎚山系、手箱山にでも登って、お参りでもしろと”上”は言うんかいの~」 『ちがう』 「何ィ~ちがう、だれや今言うたん」 『時と場所を・・・』 「なんで? よーに調べて手箱山見つけたんや」 『・・・・』 返ってくる内なる声はなく、仕方がないのでONIは3度深呼吸して目を閉じた。 ※ ※ ※ その瞬間だった。 山の中の情景を数10メートル上から眺めているという夢の視点に自分がいた。 それは、すさまじい勢いで飛び出して来た。 白い雷か? いや、あれは龍だ。 波打ちながら、うねりながら、前方の空へと飛んで行く。 たまげた奴じゃ、しかもデカイ、デカすぎる。終わりがない。 (なんじゃ、こりゃ) そう驚きながらも、下の方を見ると、小さい箱のようなものが置かれている。 そこから、龍が出て来ているではないか。 あれはなんや。 ( ほ、こ、ら、か~ ) ここでビジョンはスッと終わった。 (なんや、もう、人が目をつぶった瞬間に、待ってましたとばかり、情報を送りつけおって) などとONIが思ったかどうかはどうでもよい。 ただONIは、ニンマリとしていた。 ド坪が、祠(ほこら)を用意することになるという面白い情報も同時にキャッチしたからである。 「面白いことになりそうや」 ※ ※ ※ 翌日、ホラーのKが手箱山のことを調べてやって来た。 「ONIさん、手箱山は、ここ、石鎚山系やけど高知県。」 「ほーここか」 気のない返事のONIだった。 「土小屋の方からも登れるし、高知側からも行けるよ。」 「う~む、それがのーKよ、ちょっと違うみたいや、実はの、」 と言って、前日のことを話したONIだった。 「なんとそんなことになっとるとは・・・」 ホラーのKも考え込んだ。そして、しばらくしてこう言った。 「もしかして、ONIさん、滝と関係あるんでは」 「龍と滝か、そうかも知れん。」 そう言いながら2人は四国地図を開いた。 「ここが白猪の滝、ここが大滝、ここが高爆」 「ちょっとしっくりこんなぁ」 「確かに」とK。 「わかった、川かもよ」 「ここが吉野川源流、加茂川、物部、仁淀、四万十」 「あれっ、やっぱ違うか」 「いつ、どこで、何をせえ言うんやまったく。”修行者”に頼めばええやろホンマに。」 『彼らの仕事ではない』 「うん、今、何か聞こえたか」 「いや別に」 「おかしいのー」 フッとたそがれたような、力を抜いたようなその時、 ONIの内面でストレートにその声は再生された。 『王の間』 今度はONIも心得たとばかりに冷静に言葉にした。 「Kよ、王の間がヒントだ、王の間と聞こえた。」 「王の間、ピラミッドの?」とK。 「まぁ、そうやろ」と地図を見ながらONI。 「王の間、王といえばONIさん、獅子王山やろか」 「やはり、そうくるか」 そう言って、2人は地図を覗き込んでいた。 しかし、ほんの数秒後ONIは頭を上げた。 「わかった」 そう一言つぶやいて、目を輝かせた。 「どうわかったん、どういうこと」 Kは、はよう教えてくれとばかりにONIを見た。 「これを見てみろよ、カメ・イシ・テ、」 「あっ!!」 「それでこっちがテンでビィーとこうや」 「うわっ」 「そうなると・・・」 「イッ」 「ここや、ここが王の間。」 「・・・・」 「完ペキやろ」 「・・・・」 「アレッ、どうしたKよ」 「ハァハァ・・あ・あ・ぁ-」 「まさか、またアゴ落としかよ・・・わかった当分しゃべらんし、書かん。」 と空間に向かってONIが言った。 すると 「ふぅ~」何故か安堵のホラーのK。 「どんな感じや」 「急に力が抜けるんか、出ていくんか、ほんとにアワワってなるんよ、ONIさん。 何もしゃべれんし、アゴが少しあいて口が動きにくいって感じ・・・フゥ~」 「ふぅーん・・」 「しかし、獅子王山とは、全く違う場所やというのにホントにあるんやの、まさに天の機密は 人間界には漏らせんという、不文律が」 「まったく、こんな目にあったのは2回目」 「あれ、Kは前にもこんなことがあったんかいの」 「”ヨーさん”と・・・」 「あっ、あの時」 「あれは、こんなもんじゃなかった」 「あの時は、わしもド坪もビックリしたけんのー」 「あっ、ONIさん、これも㊙でネ」 「わかってるって・・・ワッハハハハ・・・」 「アッハハハ・・・」 大笑いをしていると、見てたのかといわんばかりのタイミングでド坪がやって来た。 その足どりは軽やかに見えた。 「おード坪よ、ええとこに来た。調子良さそうやん」 「あ~ONIさん、Kさんも、もう売れて売れて、行く先々で待ってましたとばかりに、 その気のお客さんに当たるんですよー。まだ5月の初めだというのにもう今月の目標 イッちゃいましたよ~」 声がうわずっているド坪を見てONIは思い出した。 「ド坪よ、たのみがある」 「えっ、ONIさんが、僕に」 一瞬、緊張したような表情を見せたド坪だったが、「なんでしょう」と、ニヒルを装っていた。 「うん、まぁ、その、あれ、え~ほこら、こんなやつ、小さいのあるやろ。 カワラ色のイメージの」 「小さい祠ですね。知ってますよ、神をまつるやしろに使うんですけど、それが・・・」 「それを、ひとつ用意してくれ。」 いつも、金欠の三人にとって、一番困るのが金のかかることであった。 しかも、ド坪家では今、最も金のいる時期である。 が、しかし、 「いいですよ、供養します。」 と、即答したド坪だった。 「実はですね、今日の朝、出勤前に何故か神棚が気になってまじまじと眺めたんですよ。 なんだかわからないけど、気になってしょうがなかったんですよ、これで腑に落ちました。」 「なるほど」とONIとK。 「これが手の手配というやつか・・」 「ほんと、手配されたかのようなタイミング。しかも、みな心地よいレベルで」 「さっそく明日、龍神社に行こうと思ってたんで帰りに寄ってみますよ、菊間の方やし」 「ほんまにええタイミングや」とK。 「龍神社といえば、もう半年も前の話やろ。そんな頃から手配されてたんや」とONI。 その瞬間、ド坪の頭の中でここ半年の不思議な縁がばぁ~んとつながった。 「そういうこと・・まいりました。やられましたよ、不思議なもんです。」 ド坪は、神妙な顔つきでそう言った。そして、もう一言つけ加えた。 「小さいのでいいんですね」 「あぁ、それでええ」 「まぁ、わしも、あんな小さいんからこんなデカイ龍が出てくんのを見てビックリや」と、 かいつまんでド坪にも龍の話をした。 そして、神仙道の話でも、最近の「精神世界」同様、 我々の世界と並行して多くの異世界が存在するとされ、 このような「界」と現界との間には接点が存在すること、 そして、その接点の山奥の小さな祠でも異界から見れば、 極めて荘厳な社であったりするという、 大事な話もド坪に読んで聞かせたONIだった。 「じゃあONIさん、今回のこの一連の動きの目的は、まさか・・・」 「まさか、アレ・・・」 「まさかの次を言うてみいや」とONIは、いたずらっぽく聞いた。 「まさか・・・のアトが・・・アレ」 「わからん・・・まだ、わしにも・・・ぼやけとる・・・」 「とにかく、いつか、その場所へ、わしは行くってことや、ホコラを持っての。」 「ひとりで・・・」と後ずさりしながらKが聞いた。 「まぁ、こんな話やけん、たぶん、わし1人やろ」 ホラーのKがホッとした時、S氏がやって来て言った。 「やぁ、みんな仲良く集まっているね。さっそくだけど”前触れ”が起きてるようだから、もうすぐ ”ヨーさん”が来ると思うよ、誰に用があるんかね? それじゃあよろしく。」 「えぇ~」3人は心底驚いた。 「ONIさん、わし、腹減ったけん、帰ろわい。」 「僕も、ちょっと、ジィーバァーに用があった」 素早く身支度を整え、あっと言う間に去っていく2人だった。 「しょうがないのー。やつら”ヨーさん”が大のニガテやからの・・・」 と言いつつ回りを見渡すと、珍しく誰もいなくなっていた。 アレッと思ったONIは、すぐに異変に気づいた。 店内の柱、ラック、映画のパッケージからAVのパッケージまでが光を発しているように見えた。 よく見ると、チラチラ、チラチラ、オレンジ色とも金色とも見えるような色の光を放って輝いている。 生きている花や人のオーラは何度か見たことのあるONIだったが、 木から鉄、プラスチックまでが輝きを放っている。 「これは、・・・」 ONIがそれらに見入っていた時、スッと人影が現れた。 まさしく、久しぶりに見る”ヨーさん”だった。 「やぁ、ONIさん」 「あっ、”ヨーさん”、久しぶり」 「ONIさん、今度は2コ1で4で行じる事。そして、詳細はもう1人に送っているから」 「もう1人?」 「一緒に行く人だね。近いうちに連絡があるから問題ない」 「それと、僕も先に行ってるから向こうでまた。それじゃ待ってるよ」 そう言って、本当にアッという間に”ヨーさん”は帰って行った。 その後、ひと呼吸とともにあたりを見回すと、 何となく静かなのを除けばいつもと同じ木や鉄たちだった。 ※ ※ ※ 次の日もド坪は、機嫌よくやって来た。 「ONIさん、いいのがありましたよ。一番出来のいい、瓦屋さん自慢の一品ですよ」 そう言いながら箱に入った小さな祠を取り出した。 「うむ、よっしゃ、これでええ」力強く、ONIが言うと、 「喜捨します。」と、真面目な顔でド坪は言った。 「サンキュウ」 そう言って、大事そうに祠を仕舞ったONIは、ひと仕事して深夜家に帰った。 家に帰って、ひとっ風呂浴びて、メシ食ったONIは、ごろんと横になって、 一緒に行くという人のことを考え、ニヤついていた。 「どうも、ええ女のような気がするで、プレアデスの金髪か・・・」 などと独り言を言っていると、片付けを終えたエリザベスが近寄って来て言った。 「ONIさん」 「なんや、ええとこやのに」 「祠に火が必要。2コ1で4人て何の事?」 「 エッ、マ、マジかよ~」 次回へとつづく |
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5.龍王の顕現 エリザベスは、つづけて言った。 「だから、祠に火って、何の事?」 「その前に、ちょっと聞くが、誰からの情報だ?」と、ONIは、すかさず聞いてみた。 「そんなの知らない、ただ見えたり、聞こえたり、勝手にそうなるのよ、なるときはね」 「ふ~ん」 そう言って、ONIは慎重に探りつつも、これまでの流れをかいつまんで話して聞かせた。 「やった~、じゃ私も行けるのね」 「困ったことやがそのようや」 ONIは、ひとつ深呼吸をした。 ※ ※ ※ 翌日もONIは、意味を考え続けた。 龍はなぜ、出る必要があるのか。 この場合の龍は、今の人間界の何を象徴とするものなのか、やはり、 四国に置かれていた、神のシナリオのクライマックスの始まりか。 さらに様々なイメージが浮かんでは消えていった。 丁度その時、ホラーのKがやって来た。 「Kよ、6月2日、空けといてくれ、ハイジもな」 「やっぱりィ~」 そんな気がしていたような、しかし、ちょっぴりうれしそうにKは答えた。 「そうだ、ハイジには直前まで黙っておいて、後でビックリ大喜びさせてやるか」 「それはおもしろい、そうしたれ、そうしたれ」 人を喜ばせる作戦を考えるのが得意な2人だった。 ※ ※ ※ そこへド坪もやって来て、3人は今回の出来事の流れを今一度見つめ、”上”の目的を探った。 「確かに、”ヨーさん”がらみとなるとナニばり言えんし、別の次元か、 異界から龍が出るといってもねぇ、普通に考えるとアリえない話だからね」 とド坪は少し普通人を気どって言ってみた。 「ふん、ド坪が普通を名乗れるタマかよ」 と速攻でONIがつっこんだ。 「アッハハハ」「ワハハハ・・・」「ハハッ」 大笑いすると、しばらくして、”気”が合って来たのを すみやかに感じ取ったONIが 口を開いた。 「じゃあよ、もし、わしがその壺中の龍を出せたとして、 人間界に結果として何がもたらされると思う。」 「ONIさん、ただの龍じゃなくて”龍王”ですよ」と、真面目な顔でド坪。 「わかった、じゃあ、その龍王でどうなる」とONIは言い直した。 2人の意見も聞いておきたいと思う心からだった。 先に口にしたのは、ド坪の方だった。 「龍といえば仏法守護、いわゆる人として生きるより正しい法を守護している 存在なんですよ。それが人間界の最上位次元に現れるということは、 より強力に真の教えが人間界に広まるのでは。 もちろん”上”のことですから、はっきりとは言えませんが」 「ふぅ~ん、なるほど、Kは」 久しぶりに真面目な顔でKは言った。 「オレは、水に関係したことが何かあるような気がしてならんけど。 龍神とは、水の神とも言われてるし・・・しかし」 「しかし?」とONI。 「しかし、今回のONIさんの一連の体験は、そういう昔から言われていることとも まるっきり違うような、そんな気もするね。やっぱ、はっきりは、せんけどね」 「ふぅーむ・・・」ONIは、考え込んでいた。 当事者のONIに考え込まれても困る、ド坪とKだった。 「アッ、そうだ」とヒラメいたようにド坪が続けた。 「この前、修行者3人を読み返したんですよ。そしたら、四国上空の扉を開くという ミッションがあって、それは今までも多くの神秘家たちやグループがやってきたこと らしいんですが、開かなくて、ついに”ヨーさん”達が剣山や宮島に行って開けるという 話でしたが、その後開いたかどうかはっきりしないまま、”獅子王山”の話となるんですよ。 なんか、”ヨーさん”が現れたとなると、それとの関連も無視できないのでは」 「何ィー!!」と怒ったようにONI。 「そんな大事なことは、はよう言わんかい」 「Kよ、T130氏に電話や」 「よっしゃあ、わかった」と青黒ケータイを出したKに 「あっ、普通のではダメです、コレを」 と言って、ド坪は小さな黒いジャックに何かくっつけたケータイを取り出して、 その小さな部品を外してKに渡した。 「あっ、そうか、わかった」とK。 しばらくすると、「はい、T130でございます。」 拍子抜けするほどていねいなT130氏であった。 ※ ※ ※ 「ONIさん、T130氏の話だと、あの時点で開けることはできたが、 呼べる人が来るまであとしばらくの時が必要だと”ヨーさん”がT130氏に 伝えてたらしいよ。こりゃ、ONIさん大変や~」 Kは興奮気味に話を伝えた。 ONIが、その呼べる人だと直感したからだった。 「そうか~」と言った後、しばらく黙っていたONIだったが、内心、 心に灯がともったような気もしていた。 「フッ、そういうことか」 なんとなくわかりつつあるONIの口から出た言葉だった。 すると、奥の部屋にいたS氏がやって来て言った。 「3人とも、龍神が仏教守護しているというのは、ブッダが晩年、真実の教えを説いている時、 龍神もそれを聞いて、仏法や、その行者の守護をブッダに誓ったとあるからだよね」 「もちろん」と、3人は口をそろえた。 「でも、これを見てごらんよ。ブッダが誕生した時に、ナンダ龍王とウバナンダ龍王が 虚空からそれぞれ温水と冷水をブッダに注いだと出てるよ」 と、ある本を指さしS氏が言った。 「ホントだ」「確かに」「これは・・・」 口々に3人は、ワクワク波動とともに驚きの声を発していた。 「どういうことや、これは」と、ONI。 「この龍王は虚空にいるわけですね、仏教用語では」と、ド坪。 「これは、2匹というか、いやいやおふたかたおられるわけか。 まさに、2つでひとつか」と、K。 「まぁ、ONIさんの一連の出来事にも、何かの関係があるかと思ってね、 それじゃあ、また・・・」 と言っていつものように部屋に帰ろうとしていたS氏が、ひとことつけ加えた。 「あっ、そうそう、ONIさん、その日は休んでいいからね」 「わかりました」ONIがはっきりと答えた。 ※ ※ ※ その時、Kのケータイが鳴った。 「あっ、T130氏からやぞ、何か言い忘れたか」 と、Kが言ってしばらく話した後、興奮しているのか青ざめてるのか、 どっちかわからないような顔で2人に話の内容を伝えた。 「ONIさん、T130氏によるとね、もうだいぶ前に、確か、 ”ヨーさん”と天河の向こうの山中で修行の旅をしている時らしいけど、 ”ヨーさん”がある人の頼みで変な写真を観てあげたことがあるらしいんよ。 その写真というのが、どう見ても龍の霊体の一部のようで、どこかの神社で 写されたものらしかったんだけど、その時、”ヨーさん”は、その場の数人には、 さしさわりのないことを言ったらしいんだけど、 その後で、 T130氏に、時が来たら君に教えることがあるかもしれない、 と言ったらしく、T130氏は、ここ10何年もそのことが 気になって仕方なかったらしいんだけど、 この4月に”ヨーさん”に久しぶりに会えたのでそのことを聞いたら 『ココ、龍宮には一対の龍がいてね、今は一つだけが出ているんだけど、 あの写真に写っていたのは、もう一方のチカラの現れだよ。 小さなはしのはしの顕現だけどね、人間界に時が来たらお出ましになるという印だ。』 ということだって・・・。」 Kが、”ヨーさん”の話を聞き伝えると、3人は霊気に包まれて来たのがわかって来た。 「人間界に時が来たらやな、人間界の方に・・」 「なんや、この感覚、武者震い起こしそうやで」 とONIは、心臓がゆっくり打ったような感じで、 呼吸したかどうかもわからないような妙な気分を感じていた。 ド坪は、ゆっくりと息を吐いてから、また吸っていた。 「なんや、ド坪、落ち着かんのかいな」と、ONI。 「いや、なんか幻想の世界に頭が引き込まれすぎたって感じで、わけ、 わからんなりそうになったもんで、とっさに深呼吸して立ち直りを・・・」 と言って、また深呼吸を続けていた。 そして、ポツリと言った。 「イザナギ、イザナミ神話も、これの人間的解釈かも・・・」 ホラーのKは、もはやボサツのKになっていた。 「ONIさん、例のマル秘の人達は、地球のことを時々、龍宮と呼ぶんですよね」 「あぁ、そうなんじゃ、なんでも・・・」 「・・・・」「・・・・ 「まぁ、ええか、よし、今までの話はなかったことにして決をとる」 「ええっー」と2人は声を上げた。 「信じて、実行あるのみや」と、力強くONIが言った。 これには、2人も深くうなずくしかなかった。 ※ ※ ※ 「あ~おもしろかった」ホラーのKはこう言って家に帰った。 出迎えたハイジは、こう切り出したという。 「何か、言い忘れてません」 「えっ、別に」 「ネタは、あがってますよ」 「んな、アホな・・・まだ、なんも・・・」 「エリザベスちゃんから電話で、みんなで旅行に行くって、聞いたわよ~」 「イッ、そっちかよ」 ONIさんとこのKの㊙作戦をこうも簡単にぶっ壊すとは、エリザベスおそるべしとKは思った。 「そっちって、まだ他に隠し事があるの」 「ないない、あるわけないやろー」 「それに遊びに行くわけやないでー、大変なんやからのー」 とホラーのKは、これまでのことを話して聞かせた。 それを聞いたハイジは、 「あっ、そうなの、でも、エリザベスちゃんは遊びに行くって言ってたわよ」 まぁ、いつも前向きなエリザベスならそう言うやろと、 野生の勘で察知したKは、こう言った。 「まぁ、6月2日、連れてっちゃるけん、支度頼むで」 「支度って? 日帰りでしょ」 「な~んもないか」 「アッハハハ・・・」「ハハハ・・・」 こんなことで龍王がお出ましになるのか、とんでもない話やで、まったく。 とか言いつつ・・・ つづく |
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6.舞い上がる鷲と舞い降りる神 6月2日は、どんよりとした曇りの日だった。 ONIは、トイレに座って本を読むのが楽しみのひとつであることに変わりはなかったが、 本の内容はいつの頃からかマンガから精神世界の関連本へと変わって来ていた。 この日も、ホラーのKとハイジが来るまでにと、時々「う~ん」と、うなりながらも 「異界の見聞録」的な、たいそう難しそうな本を開いて読んでいた。 エリザベスが何かの支度をしているような、バタバタと音をさせているのが ONIの耳にかすかに聞こえていた。 外の方で「ばあ」の声がしたような気がした。 ここでONIは、完全に本に集中し、独自の世界を構築してしまったので、 もう他の音はほとんど聞こえない状態となっていた。 ※ ※ ※ しばらくして、ONI一家の庭内に白いワゴン車が止まった。 そして、1組の夫婦が降り立った。 「う~ん」と両手を突き上げて、大きな背伸びをしたホラーのKだった。 さっそく、玄関に行こうと思ったその瞬間だ。 彼に大きな災いが(笑)・・・ 「あっKー君、ちょっとこっちこっち」 ONIのお袋さんである。 「あっ、おはよーございます。い、いつも、お世話になります~」 ホラーのKは、ホラーのK内保有の最丁寧語であいさつを返していた。 それもそのはず、ホラーのKは16の頃からONI家に入り浸り、高校時代などは ONI家に寝泊りしていた時間の方が自分の家にいた時間より長いぐらいであったのだ。 ONIのお袋さんにとっても子供と変わりないKの存在であった。 「野菜持って帰り、今、採ってくるけんの」 と、すぐに畑の方へ向うお袋さんである。そして、 「ほやけど、へーさし見んかったねぇ」「せーだしてやりよったで」 などと、方言を連呼した。 Kは、久しぶりに聞く「へーさし」に口元をゆるめながらも仕方なさそうに 畑の方について行った。 もちろん、K嫁ハイジは驚異的な速さで車からビニール袋を取り出し、 すぐにお袋さんの横に立ってビニール袋の口を広げているのだった。 ※ ※ ※ そうこうしているうちに、ONIとエリザベスが降りて来た。 ONIは、大事そうにド坪が喜捨してくれた「ほこら」を持っていた。 それを車にしっかり固定し、荷物を積み終わると出発だ。 何が起こるか、待っているのか、わからない。 しかも行き先さえもはっきりしないのである。 ONIやみんなを安心たらしめてるのは、”ヨーさん”がONIに言ったという、 「”場”は行けば分かる」 このひとことなのである。 ※ ※ ※ 「よっしゃあ、出発すっか」とONI。 「了解」とK。 こうして4人を乗せた車は、はるかかなたに見える四国山地、石鎚山系へと向かったのである。 出発して30分ほど過ぎただろうか。 一通りの世間話を終えたハイジとエリザベスが、少し静かになって来た頃。 ハイジは、ONIがしゃべらないのに気がつき、小声でエリザベスに尋ねた。 「あっ、ONIさんはね、寝てないのよ、この1週間。毎日2、3時間ずつ、たぶん何かあるのよ」 「ふーん、そうなの、たいへんね」 と、2人が小声でヒソヒソ話をしていると突然、0NIが口を開いた。 「大変や、トイレ行ったのに、してねぇ」 「えぇ~」3人は呆れて言った。 仕方がないので、高知県側の道の駅で少し休憩することにした。 この道の駅は四国山地の山の中にポツンとある。 ここで深呼吸すると妙に空気がうまいと感じたONIは、スッキリしてまた車に乗り込んだ。 すでに、ONIは、酒、タバコはやらないし、肉もほとんど食べない生活を続けていたので、 変なものには敏感に反応する心と体を作り上げていたのだ。 ただし、相変わらず少し太ってはいる。 ※ ※ ※ 「よーし、ここからが本番だ」 と、ONIは、今までのことはなかったことにした。 そして、思いつくままに語り始めた。 『今回のことは、神かも、仏かもしれない何かが、わしに依頼して来たと思うとんじゃ。 他の者ではラチがあかんのかも知れんし、わしが、ただ単に適任なだけかも知れん。 その依頼は、受けるだけの価値があるように思えたし、受けない選択が自分の中で 見当たらなかった。 地球で人間を育む”上”の人達が人間の成長に合わせて、色々工夫しているように、 大きなポイントの1つとして今回のことが人間進化の仕組みとしてあるように感じとるんじゃ。 それで、”神仙道”や、日本神話や、異界伝説のようなたぐいを学んだんやろ。 たくさんの発見もあった。 おかげで、この世に重なる別の次元の存在は、もはや、わしの中では確信や。 先人はそういう世界を”壺中天(こちゅうてん)”と呼んでいるそうや。 なんでも、小さな壺の中にとてつもないデカイ世界が広がっているという意味やそうな。 同じように、この世界の、現界の山の中の小さな祠とかが入り口となっていることがあっての、 これが、この世側からとは違って、壺の中からみるとスゲェー荘厳な社であるということや。 つまり、現実の世界でデカイ社殿なんかは、古来よりのただの、 政治的支配機構のひとつにすぎないかも知れんのや。 まあ、向こうから見たらそう見えるのは間違いないらしい。 この視点は覚えておいて損はないと思う。 ☆最初に観たビジョンは、青白い柱が上から降りて来て、何かの存在が、わしの体との境界を 振動させているというもんやった。これは何やろと思ったのが始まりやった。 ☆次に「無限創造神」のビジョンや。これはもう”上”の依頼であることを想起させるに余りある。 ☆そして、緑っぽい癒しのエネルギー体の出現で感じたのは、今の人間界がそれを 必要としているということを強く感じた、何かを起動させるような感覚や。 そのあたりまで来たら、次はアレ、龍の出現のビジョンが何度もイメージの世界に現れて来た。 小さな祠からとてつもない龍王が出る。 躍り上がって「おぅー」と声の出そうな感じやった。 そして、祠は、ド坪が用意することになると聞いた。 するとその通りになったし、ド坪はド坪で1年も前から調整されてたようやった。 そんなこんなで、イザナギ、イザナミの夫婦神の神話とかももう一度学び直してみると、 なんとなく四国の秘密がの、自分の中に浮かんで来たっちゅうわけよ。 神々が、おのころ島で国生みするんやが、人の為に最初に造ったのが四国やと。 しかも、神界やなんかの異界に出入りしたという神仙の人の話では、四国の石鎚山系手箱山あたりに その入口があるというやないか。 ここでまたピーンと来た。「まさか」ってね。 そしたら、知っての通り”ヨーさん”現るで、「こりゃあ、ほんまに神事か」と驚きもした。 ふぅ~、しかしの、このあたりからはもうしゃべれん。 今はこれぐらいにしとこう。』 と言って、ONIはあたりを見回した。 4人を乗せた白いワゴン車は、真っ白な霧に包まれ、10m先も見えない状況になっていたのだ。 ※ ※ ※ 「こりゃ往生やONIさん、前見えへんで」 とKは、10kmほどのノロノロ運転をしながら呆れたように言った。 「これも完璧なタイミング」とONIは、ひとことだけ言った。 すると、Kの数メートル前を黒っぽい影が横切った。 「ア、アレなんや」Kが驚いた声で言った。 ONIも見て言った。「何かおったのー」 2人が気付くと先導するように何かが舞い降りて来て車の数メートル前を飛んでいるではないか。 「ありゃ、鷲やで」とONIは言った。 高い山特有の下から吹き上げてくる風で少しだけフラフラしているようにも見えるが、我々の車の すぐ近くを道なりに飛んで行く大きく羽を広げた鷲がいた。 周りの幻想的な景色とあいまって不思議な世界に引き込まれて行くに充分の状況であった。 「ヤタガラス みたいね」と、エリザベスは思いついたように言った。 少しの間、この鷲とランデブー走行した。 その時よく見ると、この鷲は翼の羽が何本も抜けて、少し弱っているのがわかった。 それを見て、0NIが感慨深そうに言った。 「せーだして生きとんやの」 「ほんまに」とKも続けた。 すると、聞こえたようにわしは舞い上がり、ONI達の視界から消えて行った。 同時に、ノロノロ運転ながら、山道の大きなコーナーを曲がり切ると視界がいくぶん良くなった所に 出たので、軽く昼食をとることにした。 気付けば、山道を既に2時間以上走り続けていた。 この時、さっきの鷲が現れて、一行の頭上で旋回を始めた。 それを見てONIが「石鎚は向うやで」と心の中でつぶやくと、その声に従うように その方向に飛び去って行ったのである。 ※ ※ ※ [出発] これは、ONIの内なる声である。 はっきりとこれを感じ取ったONIは、20分ほどで休憩を切り上げ、みんなに出発を告げた。 そして、さらに山道を進み始めた、いい頃合いに、さあ、これから大事なことをONIが言うぞ、 と思ったその瞬間、先に口を開いたのは、ハイジだった。 「ねぇ、ONIさん、ちょっと前から変なんやけど」 「んっ、どうした?」 「1つ手前の山を通ってる時に、この手の上に何か乗っかったの。何やろ、自分ではわからんし」 一瞬、緊張でコワばるKは、ニヒルを必死で装った。 対照的に事態を喜ぶエリザベスの微笑。 通常の目では捉えられない何かがハイジに起こっているのは明白であった。 四国は変わるのか、龍王は、王の間は・・・ そしてハイジはいったいどーなってしまうのかー。 ~つづく~ |
「へーさし」 四国の一部地域の方言 長い間とか しばらくぶりという意味 |
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7.4つのキーワード 「ハイジ、どっちの手だ」 「右手・・・」 「玉か柱か」 「う・・・んっ・・・は、柱」 「他に、どんな感じや」 「水晶みたいな感じ・・・」 第六感次元に現れた存在の正体は、透明の水晶状の柱のようなエネルギー体であった。 「いったい何やろ、ONIさん」 ホラーのKはワクワクと心配の入り混じった声でONIに聞いてみた。 ONIはゆっくりした口調で答えを告げた。 「山の神や」 「山の神って、いったい・・・もしや、日本総鎮守の・・・」 「Kよ、神の名には、注意することや…人間には原初の神は、カタクて動かしがたい、そして、 透明な柱のごとく感じられるんや。名は後で人間が勝手につける。感得したものが、それぞれにな。 それで神名は時とともに増えたりもする。源は一つ同じもんやけどの」 「万教同根」とエリザベスが言った。 「あっ、オレが言おうと思っとったのに・・・」 ガクッと肩を落としながらKが言った。 「あのー、アツくて、痛いようなんですが」 右手のひらをゆっくり見せながらハイジが言った。 「あっ、心配ないでハイジ。神様は一緒について来る気や、深呼吸でもして 波調を合わせる手伝いをして交流してたらええんや」 と、事もなげにONIは言った。 しばらくすると本当に楽になって来たのをこっそり喜ぶハイジだった。 ※ ※ ※ この時、ONIの心にあるひとつの記憶がよみがえってきた。 それは、ONIと仲の良い成就に住む一人の男とその娘の会話からだった。 場所は成就社の境内だ。 「おとうさん、これ見て」娘が手を握ったまま言った。 「なになに」男は娘の手をのぞきこみながら言った。 「じゃ~ん、すいしょ~う」 娘は手を開いて、うれしそうに見せ、またパッと握って、2~3cmほどの小さな水晶を隠した。 父親は、ちょっと見せてごらんと娘の手から水晶をつまみあげると、両手でやさしく包み込み、 石鎚山の方に向かって手を合わせ、しばらく合掌してからこう言った。 「この石が、神様」 それを聞いた女の子は、ピューと駆け出し、友達のところに行って、大きな声で言った。 「この石が神様だってー」 「これは、ただの石よ」「いいやこれは水晶」「かみさまっ!!」 子供たちの声は遠のいて行き、ONIは、この後、視線を上方に向け成就から石鎚山を じっと見つめていた。 ※ ※ ※ しばらくすると不思議なことが始まった。 なんと、仏が眠っているように見える石鎚連邦の山並みから白っぽい人型の霊体が 起き上がっているように見えたのである。 ONIは、心の中で「あれが、石鎚の山の神さんか」と思った。 その存在は山並みから起き上がり、立ち上がって、何かを言った。 そうONIには思えた。いや、見えたという方が正解か。 その声はすぐに内面で再生され心の中に響いた。 「早く卒業させてもらえんかONIさん」 「夜明けが来れば失業の約束」 「まだかいな、夜明けは。夜明けの前は暗いなぁ」 とまあ、こんな感じのエネルギーが瞬間的にドバッとONIの心の中で再生されたのである。 その時のONIが思ったのは、 「山の神も、バシャールと同じ事を言うとんやな。結局、神人一致の世となれば、彼らはもはや 神ではなく友となる。はよう、そうなってほしいと願ってくれてるんやな。 まぁ、適当にわしも頑張るでー、山の神よー」 と、こんなことを思った当時のONIがいたことを今、ここで集中しているONIが 思い出していた。 ※ ※ ※ この記憶は、さらにその夜のONIの夢までもONIの今の心に浮上させて来ていた。 この「山の神」を見たONIは、その夜、夢を見た。 リアルなリアルな夢だったのを思い出していた。 その夢には、天狗が出て来た。 しかも、何十人(いや何十天狗か?)もだ。 夢の中でONIは、小学生ぐらいの子供だった。 たくさんの天狗が集まってONIのすることを見ていた。 ONIは、上手に他の人間のチビ達と遊んでいた。 それがおもしろいのか、天狗にはウケまくっていた。 あまりにもおもしろすぎた時、リーダー天狗が、腹の底からの高笑いを豪快に決めた。 すると、空に稲妻が走った。 それを見て、すべての天狗が帰り支度を始めた。 ゾロゾロと長い列を作って、右に左に山に登って行くではないか。 夢の中の子供のONIは、天狗を感じつつもあまり相手にしていなかった。 存在を感じつつ子供たちと遊んでいた。 他の子供達には天狗は見えてないようだった。 やがて、リーダーとその側近達が帰る時が来た。 何となく気になったONI少年は、立ち上がり、振り返って天狗の方を見た。 なんと、ONI少年のすぐ後ろに、どでかい門がいつの間にか立っていた。 門の前にリーダー天狗とその仲間が振り返って立っていた。 もう一度とONI少年が振り返ると、さっきまで一緒にいた子供たちが見えなくなっていた。 「あれっ」とONI少年が思った時、側近天狗が至近距離まで近寄って来て言った。 「今度は、いつ、わしらと遊んでくれる」 「あとで」とONI少年は言った。 すると、四角くて大きな柱のような鼻をしたリーダー天狗が近よって来て言った。 「早く大きくなって本当に遊んでや」 「遊びたいけど、もうちょっとこっちで遊んでから」 と、すかさずONI少年は言った。そして、こう思った。 「それに、あんたら大人やし、デカすぎ・・・」 すると、彼らはおおらかに笑い、 「君よりデカイ者は、この世界にはいないよ」 そう言ってまた笑い、門の方へと向かった。 彼らが大きな門をくぐるまでONI少年は見送った。 門をくぐると振り返る事もなく彼らは飛び去った。 山に向かって飛んで行ったのである。 ONI少年は、リーダー天狗の四角い鼻の肌、ツヤまで、はっきりと憶えていたのを、 今まさにここで思い出していたのである。 おかげで、しばらく車の中は静かだった。 ※ ※ ※ フッと我に返ったONIは、後方のハイジに向かって 「ハイジ、調子はどうや」と、声をかけた。 「何か、ポーとしてイイ感じになってる」と、ハイジ。 「そうか、それじゃあ、次のあのコーナーで車を止めてくれ」 「了解」と、ホラーのKが答えた。 あたりは相変わらずの霧で真っ白だった。 こんな所で車を止めても何も見えんなー と、ホラーのKが心の中で呟きながら、ゆっくりとコーナーを回ってみると、ド肝を抜かれた。 「アッ」と声を出すのがやっとのホラーのKが見たものは、 天空から差し込む柱のような光だ。 それは、遥か彼方の空からある一点の場を照らしていた。 4人は車から降り、その光景にしばし見とれていた。 「あのあたりやな、少し上がりすぎや、これから下るで」 「よしっ」 ホラーのKは、この幻想的な世界と霊的世界に少しずつ慣れてはきたものの、もはや自分が いつもの自分でなくなっているような感覚に襲われ、正気を失ってしまいそうだった。 ワクワクが心配に、心配がより不安になった。 そんな時、ONIが言った。 「これに失敗したら、四国も地球も終わりや」 「ええっ・・・」と、K。 「ジョークやジョーク」と、笑顔のONI。 「ビックリさせんといてーなONIさん。こちとら緊張でイッパイイッパイなんやから」 「イパ~イ」と、エリザベス。 「ぷっ」と吹き出しそうになるハイジ。 「なんや、皆で」と言いつつ笑顔のK。 「さぁ、あの光の所まで下るで、出発」 「おぉー」 みな、ホラーのKが霊的世界、特に”ヨーさん”には緊張するのを知っていたのであった。 ※ ※ ※ しばらく下った頃、ONIの心の中にひとつの思いが現れた。 それは、『はじめましょう』と再生されていた。 ONIは、ポケットから一枚の紙を取り出した。 そのメモに一通り目をやってからONIが言った。 「これから、神事の核心を伝える」 (ゴクッ)ホラーのKは息をのんだ。 ハイジは、目を見開いてドキドキした。 エリザベスは踊りだすほどワクワクしていた。 ONIは、咳払いをして、ひと呼吸入れてから続けた。 『四国で「夜明け」の型を出す。これが未開文明最大で最後の神事となり、共鳴した各地で 同様のことが続くことになる。 必要なものは、まず基本として2コイチで4の御魂。 風、火、水、土、そして、これを知るすべての”上”の協力。 さらに壺中天と接点を持つ”場”である。 ここまででも至難の技だろうが、これは本物だけにまだまだ、そー甘くはない。 これに合わせて、これまでその場を守って来た「山の神」の協力を取り付けなくてはならんが、 今、「山の神」はハイジとともにある。ひとつクリアや。 あとは、1人にひとつずつ、4つのキーワード。 これは、エリザベスが上から預かってくれた言葉を、今ここに書き留めて来た。 言うで、忘れんようにの。』
ONIが4つの預言を言うと、上からの衝撃が身震いとして感じられた。 「今、わしら、完全に手の手配の中に入ったで、しかも、今までで、一番強力なものや」 それは、ONIが言うまでもなく全員が感じていたことであった。 車はゆっくりと、光の柱に向かってさらに下り始めた。 ~つづく~ |
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8.【天空上帝】壺中の扉 しばらく下ると、霧もなくあたりはすっかり晴れ・・・。 「おいおい、わしらのおるとこだけが晴れとるで」 「えぇー」 ONIの声に反応してKはあたりを見回した。 「ほんとや、このあたり・・・直径500mぐらいが・・・」 そして、すぐに空を見上げようとした。 「おい、K、あぶないで」 「おっと」 四国山地の山道を走っていることを、Kが忘れてしまうほどの劇的な光景だった。 「明るいの~」 ONIは、つぶやいた。 「空気に透明感みたいなのがある感じ・・・」 エリザベスがそう言うと、ハイジも「うん、そうそう」と、強く同調した。 ホラーのKは、ただ前を見ていた。 その時、ONIがKの顔を覗き込むと、かすかに口元にニヒルな笑いをする時の変化が表れていた。 ※ ※ ※ もう少し走ると、平坦な所が現れた。 「よし、この辺に車を止めよう」 「よっしゃ」 車を降りて、あたりを見回すと1台車が止まっていた。 「なんでこんな所に・・・」 「おい、車や、誰や」 こんな山の中に、こんな天気に、こんな場所に・・・ 一同は顔を見合わせた。 「まさか、ド坪か」 ONIは、少しその車に近づいてみた。 そしてこう言った。 「アベックみたいや、助手席は女や」 一同から理解不能ともとれるエネルギーが広がった。 この時、Kは野生のカンを働かせた。「このタイミング、宇宙人かも」 さらに、「S氏のネットワークの人達かも」 「う~ん」 しばらく静かにしていたONIは、1つの変化を試してみることにした。 「もう少し先に進んでみるか」 そう言って、みんなに車に乗るよう指示した。 ※ ※ ※ 少し進むと、「違う」と即座に感じられた。 「Kよ、Uターンじゃ」 「やっぱり」と、Kは小気味よく車を回した。 「まだ、さっきの車が止まってるみたいよONIさん」 「あの車の手前で、はしに寄せてくれ」 「わかった」 車を寄せつつあるKに向かってONIが言った。 「この左手の山に登るで」 「登る~」 Kは大いに驚いた。 登るもになにも道もなんもあらへんがな~ と、一瞬だけ思ってみたが、何故だか「登る」それがトーゼンのような気がして、 不快な気も即、消えていたKだった。 「何か変やな、誰かに背中押されてるよーや」 Kはそんなことを言いながら車から降り、ジャンパーをはおった。 「ここの空気は最高にうまいのー」 深呼吸しながらONIが言うと、Kは、「確かに」と思った通り答えた。 ※ ※ ※ さっそく、車から祠の入った箱を取り出し、さっと肩に乗せると、 さっそうと山に向かうONIを見ていたKは、すぐさまあとに続いた。 その後をエリザベスとハイジも続いた。 腰まで来ているブッシュのような笹や木の中を下も見ずに進むONIを見て、またKは思った。 「普通やない」 そうKが思った時、ONIが振り返って言った。 「Kよ、しんがり頼むで」 「よっしゃあ」 すぐさま、エリザベスとハイジを先に行かせ、カッコ良くしんがりをとったKは、妙にうれしかった。 どうしたわけか心の中が喜びで満ちている。 おかげで山中の道なき道もなんのその、アッという間にその場所にたどり着いたのである。 ※ ※ ※ 肩の荷を降ろしながら、「ここや」と言うと、ONIは確認するようにあたりを見回した。 しばらく呼吸を整えつつ、各自、ミッションを確認していた。 そんな時、ONIが神妙な顔つきで話し始めた。 「今、ここに登ってくる途中、さっきの車が見えた。その時、 助手席の女の人の顔が見えたんじゃ。みんなは見たか?」 「いや、全然気づかんかった」 「私も」「私も・・・」 「ふ~んそうか、実はの、『修行者3人が行く』の剣山の話に出て来た、東京の仲間とT130氏が 呼んでいた女の人とそっくりに見えたんじゃ」 「剣山で、四国の扉を開くご神業をしたっていう女の人?」 エリザベスが確認するようにONIに聞いた。 「そうそう」 ONIは、上の空のような顔つきでうなづいた。 そして、こう続けた。 「あのな、明らかに別人が車に乗ってるんやけど、その人の顔の前に別の人、つまり、その東京の 仲間ちゅう女の人の顔が重なって見えるんや・・・そやけど見間違いやないで、少し変なけどな」 「・・・」 ONIは続けた。 「まぁ、別にみんなは、それを信じる必要はないんや。要はそれを見たことによって、 わしの心の中に今、ここで感謝の気持ちが立ち現れたってことが重要なんやろ」 「うんうん」 「今、わしら一番ええとこやらしてもらってるけど、これは縁あってのことや、この結果を得るために たくさんの良縁が連なり、重なりあって起こって来たんや。これを肝に銘じとかなあかん」 「・・・」 3人は強くうなづいた。 その時、風速20mはあろうかという大風が吹いた。 「おっ、風が来た」 そう言って、ONIは、箱から祠を取り出し始めた。 するとどうしたことか、この周辺だけは、さっきまでいい天気のはずだったのが、霧まで出始めた。 「水も来たか」 ONIは、友達にでも語るようにうれしそうに霧と風に向かって言った。 そして、祠を取り出し、手に持つと「さて・・・」と言って2,3歩動くと 「おぉっー、ここやな」 と言って座り込んだ。 生い茂っている小さな竹のようなやつを、かき分けると丁度50cm角ぐらいの”土”が見えた。 「よーし、土や」 そう言ってONIは、祠をそこにゆっくりと置いた。 すると、小さな細い竹のようなやつが祠に少々かぶさって来たように見えた。 まるで、竹カゴのように。 「こいつは、小さいのに笹の葉っぱだけは大きいの」 「ONIさん、それはクマザサ」 と、Kが言ったと同じ時、ONIは、立ち上がって言った。 「エリザベス、カゴはどんな漢字やった」 「カゴ・・・」 「カゴメカゴメのカゴや!!」 「あっ、籠ね。それなら、竹かんむりに・・・龍よ!」 エリザベスも少し驚いたように言った。 ONIは、しばらく立ったままでいた。そして、ポツンと言った。 「人間の方が選んで籠の中に入っていただけかよ・・・」 その気づきを待っていたかのように、ピューピューと左から右から風が吹き始めた。 (こりゃあ、祠がいるわけや) ONIは心の中でそう思いながら、ポケットに手を入れ、中からライターを取り出した。 いよいよか。 ONIは、3人の方を振り返り、真面目な顔をして静かな口調だが、力強く語った。 ※ ※ ※ 「火を入れるけんの。キーワードを念じ始めてくれるか」 「よしっ」 と、Kは力強く言ったもののあることが気になった。 それは、いったいいつまでやればいいかという素朴な疑問だった。 こんな時、修行者達なら完璧なタイミングで始まり、終わるのだろうが、オレはホラーのKやで。 そんなKの気持ちが顔に出ていたのか、ONIは、こう付け加えた。 「念じ続ける時間は、こっちの世界で最短6秒」 「6秒!!」 Kは、まるっきり想像もしていなかったONIの答えに、頭の中がカラッポになった。 (本物です。本物です。) と、心の中で声がしていたKだった。 (そうか、頭がカラッポになると心の声が何となく、聞こえやすくなるのか) そう思ったような気がするところで、Kは頭ばかりか心もカラッポのように感じる そんな状態になっていた。 いや、導かれて行ったと言う方が正解だろう。 相変わらず、風は吹き荒れていた。 「始める」 ※ ※ ※ ONIは、祠の扉を開け、中のろうそくに火をつけた。 3人は、すでに完全に念じ入っていた。 この時、ONIはひとつの秘密を握りしめていた。 それを、何も言わず祠の中へ大事そうに置いた。 そして、3人と一緒になって自分のキーワードである「ある生物」をイメージした。 1秒、2秒・・・ ONIが念じ始めて10秒か20秒か、誰1人動かず、念じ続けていた。 その時、ONIは体に異変を感じて目を開けた。 「ハッ・・・アッ ハゥア ハァハァ・・・」 ONIの異変は、風の音もあって誰も気づかなかったようだ。 一瞬のようでもあったその時に、ONIにいったい何があったのか。 少し呼吸を整えつつONIが立ち上がって言った。 「サンキュウ、うまく行ったよ」 この声で、我に返ったように3人も、目をパチパチしながら立ち上がった。 ONIは、すぐさま祠の火をおとした。 そして、間髪いれず、祠を仕舞うと、さっと肩に担いでいた。 すると、すぐ後ろにいたハイジが、「うまくいった?」と聞いたので (もちろん)と心の中で答えた。 だから、もちろん声にはなっていないが、続けてこう言った。 「今ね、胸がドキドキ、結びが解けてね変な感じだよ。 あ、別に体に問題はないけどね・・・ じゃあ、降りよう」 「ふ~ん、大丈夫?」 ハイジは、まだボーとしたように返事していたが、このことは記憶に残ってなかった。 ※ ※ ※ 今度はKを先頭に山を下り始めた。 しばらく下ると、さっきの車の見えた所に出たが、そこにはもう車は見当たらなかった。 (帰ったのか) ONIがそう思った時、1993年の石鎚での出来事が鮮やかにONIの心に浮上して来た。 あれは、ONIとKが”ヨーさん”に弟子入りしてからすぐのことだった。 確か、九州の鉄之助たちもいたぞ。 成就の旅館の一室で、”ヨーさん”が新弟子ばかりを集めて説法してくれた。 そして、それがあっという間に時間が経ち、夜中の2時過ぎとなり、寝たいものは寝てよかったので、 その時は、確か7,8人がその時間まで残っていた。 すると”ヨーさん”は、その中の1人画家のH君をある位置に座らせ、瞑想しておくようにと言い、 みんなには、いいものを見せてあげるからと、H君の対面へと移動させた。 そして、あと何人かを指定して座らせると”ヨーさん”もH君の向こうに座った。 「うわぁ」「あっ」 一斉に声が上がった。 何じゃ、ONIもKも開いた口がふさがらなかった。 小さな、小人いやいや霧のようなものが人の形をして、らせん状につながって降りて来ているように 見えるではないか。 「そんなバカな・・・」 と思いつつ・・・これは、楽しんどかなアカンとばかり、見続けた。 しばらくすると小さなカスミの人達が部屋の真ん中に降りてくる”絵”は、薄くなり見えなくなった。 すると、”ヨーさん”が、H君の方をみるように言った。 「うわぁ」「えっ」「なんで」「なにコレッ」次々と声が上がった。 なんと、H君の顔に重なって、次々と知ってる限りの偉人たちの顔が現れ出ていた。 ONIとKもまずは、自分の目を疑ったが、互いに正気だった。 この時、一緒だったT130氏も目を白黒させていた。 ONIは、あたりを見回し、みんなの驚きようにも驚き、 楽しくてしょうがない時間だったのを 思い出していた。 そして、ちょうどこの体験を楽しみつくして、あー腹いっぱいという時に、東京のFちゃんが ”ヨーさん”に 「これは、どういうことでしょうか」と、質問してくれた。 すると”ヨーさん”は 「これは、エササニ(文明世界)の遊びだよ」と答えた。 ここまで思い出すと何故か記憶が途切れてしまったONIだった。 だが、この時”ヨーさん”による”上”の遊びを体験したONIは、山を降りてから、この至福感と 現実世界のギャップのようなものを感じて、そのもどかしさを克服するのにしばらく時間が かかったなと、ゆっくり思い出しながら苦笑いしていた。 ※ ※ ※ 足早に山を下り、車の所まで帰った一行は、また少し移動した。 ここは、高知からの道と合流する所で、少し道も広くなっており、案内板やトイレも設置されていた。 見晴らしも実にいい場所だ。 車の時計は、午後3時に近づいていた。 「ちょうど、自由と共存の祈りの時間ね」 と、エリザベスがつぶやくように言った。 「そうやな」とONI。 あたりを見回すと、いい感じのスペースが空いているではないか。 石鎚と瓶ヶ森を正面に見て、後ろに手箱が見える位置に車を停めた。 すぐさま、ハートに暖かみを感じ始めてONIは、気持ち良さそうに言った。 「みんな、やってるみたいや、感じるで」 そう言うと一人静かに瞑想状態に入っていた。 3人も、それぞれ自己流で「自由と共存の祈り」に参加した。 「・・・・」「・・・・」 ※ ※ ※ しばらくして、それぞれのタイミングで祈りを終えると車の外に出て来た。 ONIは、背伸びをしながら「アァー」と大きめのトーニングのようなアクビをした。 そして、駐車スペースの入り口にふと目をやった。 「アレッ、こんな所にデカイ石が置いてある。なんで?」 などと言いながら、その石の方に近づいて行った。 「ホントや」 と、Kも近づいて来た。 その石は、黒っぽいような青、いや紫っぽいような石で、大きさは1mx1.5mぐらいで、 高さも1mぐらいだろうか。 上は、多少のデコボコはあるが石のテーブルのように平たくなっている。 「何と場違いな石やね。ONIさん、アレッ」 Kが言い終わらぬうちにONIは、車の後ろからまた祠を取り出そうとしていた。 そして、こう言った。 「みんなに1つ言ってなかったことがあった。それを話し共有した後、もう一度ここで始める」 ※ ※ ※ まったく同じように行じられたが、今度は透明な明るい光だけの中で行われたような、 そんな記憶しかONIには残っていない。 4人の意識が少し前と違っていたのは、ONIが握りしめていた最後の秘密を4人全員が今は、 共有していたことと、今、この瞬間、世界同時瞑想「自由と共存の祈り」が行われている、 その真っ最中であったということだろうか。 ※ ※ ※ 「よし、完璧や」 ONIは、力強く確信を持って言った。 Kは、車をバックさせ、また道なりに車を停めた。 ONIは、祠にここの”気”をすべて充電するようなイメージをしたあと、 祠をていねいに車に積み込んだ。 4人が車に乗り込むと、ホラーのKが我に返ったように、 「あっ、ちょっと・・・」と言って小走りに消え去った。 このため、この後ONIが語った話をリアルタイムで聞けないということになってしまうのであるが、 その後起こるとんでもないことに比べれば、たいしたミスではなかったのかもしれない。 ~次号へとつづく~ |
「エササニ」 オリオン座の近くの バシャール達の惑星 |
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9.「夜明け神示」 車の中で、ONI、エリザベス、そしてハイジの3人は、各自静かに景色を見ていた。 そんな時、おもむろにONIが言った。 「ハイジ、神様はどうなった?」 「う~ん、今、ちょっとわからなくなったみたい」 「そやろの」とONI。 「どういうことONIさん、なんかあった?」 「ホントよ、はよ、言いなさい」 仕方ないの~という顔をしつつ少しうれしそうにONIが言った。 「言うけん、よー聞けよ」 「うん」「はい」 「今さっき、もう一度祈った時、また山の神が立ち上がって見えたんや。手箱の山並み全体からな、 その山の神は立ち上がって、こっちに向かってこう言った。」 『夜明けが来る、朝の支度を始めんといかんな』 「そう言ったんじゃ」 「よし、成功じゃね」 「やったね。でも、今までも夜明けだったのでは?」 「いや、山の神様は夜明け前だったと言うてた」 「あっ、今は夜明け前の一番暗い時ね」 「そういうことや、この後、ここから広がっていくのにどれくらいこっちの世界で時が必要かは 教えてもらわんかったわい」 「それを楽しめってことやろね」 「そう、そう」 「どうやら、夜明けの最初の一条の光は、闇を貫いたようや」 ONIは、ニコッとしながらも、感慨深そうに言った。 「あとは、もっと明るくするだけね」とエリザベス。 「もっと光を」とハイジ。 「なんだ、このマンガのような展開は」 とONIが言うと、3人で大笑いしていた。 そこへ、のしのしとホラーのKが帰って来た。 「なんか楽しそうやね」とK。 「ええ話、してたんや」とONI。 「あ~あ、ちょうどKさんは聞けんかったね」 と、ちょっと意地悪そうにエリザベスが言った。すると、 「ほんと、ほんと」とハイジまでがたたみかけた。 「何言う。わしゃ、施設(トイレ)の点検に行っとったんじゃ。 まあ、こんな山の上にしては、きれいで合格や」 「じゃ、私らも点検に行こ」 「行こ行こ」 そう言って、2人は車を降りた。 ホラーのKは、その2人をチラッと見た後、こう言った。 「ONIさん、はよう教えてや、何があったん?」 ONIが、かくかくしかじかと説明すると、 「ホへ~」っと 大きな驚きとため息を同時に表明したKだった。 「んっ」 この時、ONIの胸に一瞬、何かが感じられた。 「Kよ、ちょっと外に出てみるか」 そう言って、また外の空気を味わう2人だった。 ※ ※ ※ ONIは、前方の深い谷を見て、右手の瓶ヶ森と左手の石鎚を見て、そして、後ろの手箱を ゆったりとした気持で眺めていた。 Kは、先ほどの石の方を見て、何やら感慨深そうだった。 ONIは、ふと右手を見た。厚い壁状の雲が? 「んっ」と声を出して、左手を見た。妙な雲が動いている。 そして、ONIが石鎚山天狗と瓶の間の上空を見つめたその瞬間、 転送されたかのように、それは現れた。 「おい、K!!」 「あれ見てみ!!」とONIが虚空を指さしながら言った。 そのONIの声に異常を感じたホラーのKは、即座に反応した。 「うわあ おおお~う」 その位置は、石と瓶の中間の空であった。 まさに絵にかいたような『龍王』が出現していた。 顔を天狗の方に向け、体は右手の瓶から後ろの手箱へと、デ、デカイ、デカすぎる。 真白に光り輝く、まさしく山水画から出て来たような「龍」がそこに存在していた。 2人とも息を忘れていた。 もちろん、時間も止まっている。 すべては、極限状態で起こる、スローモーション化現象のように、脳裏に焼き付き忘れる事がない。 その状況が、今、ここで2人に起こっていた。 どれほど見つめていたかわからない。 ハッとして、2人は同時に我に返った。 と同時にホラーのKは、「カメラ」と叫んだ。 そして、車の後ろへスッ飛んで行った。 ONIは、我に返って、まじまじと空を見た。 それは、空の中の龍によく似た雲になっていた。 「これは、1分ほどしか持たないでしょう」 どこからともなくこんな声を聞いたONIは、ずっとその雲を見つめていた。 「角、ヒゲ、目、口、歯まで・・・」 なんとなく、おかしくなってきたONIは、心の中で笑い始めていた。 Kはというと、素早い動きでカメラを用意している。 そして、「よっしゃあ」 と言って、Kがカメラを構えて空を見た時、もはやそこには何もなかった。 すべて消え去っていたのである。 ガクッと肩を落としたKだが、もしかするとという期待を込めて、2,3回シャッターを押すのを 忘れなかった。 ONIは言った。 「Kよ、まだ写されることは望んでないようだ」 「そういうことか」とK。 ONIは、Kに聞いてみた。 「今の見たよな」 「見た」 はっきりとKは言った。 「山降りたら、忘れたりせんやろの」 「いや、大丈夫。本当に焼きついとる」 「頭にか、脳にか」 「あれっ、どこやろ、どっかに保存されてる」 「チ○タマやないやろの」と笑顔でONIが言うと、 思わず噴き出し、大爆笑のKだった。 「プッ ハハハハッ」「ワハハハハ・・・」 そんな時、それぞれのパートナーが帰って来た。 2人は得意満面の顔で、声を揃えて言った。 「わしら、大変なもん見たで」 「えっスゴイ、何見たん、何見たん?」と、ハイジ。 「龍王さまや」 「本当!!」「いつ?」 「今、さっき、そこで・・・出たんや」 2人の幸せそうな感じで本当だと思ったが、エリザベスは一応聞いてみた。 「証拠の写真は?」 この一言にカタなしの2人だった。 「・・・・」のK。 「カメラで撮る前に消えよったんや」とONI。 「でも、見たで、出たで」とONIが言い張ると、エリザベスはこう言った。 「ええねぇ、私にも姿見せてよ龍王さん、本当は私も龍見たかった、ねぇハイジ」 「見たかった、ねぇ~」とハイジ。 「ええんじゃ、2コイチやけん、わしらが見たらチミ達も見たと同じや」 「あーっはははははっ」 「ONIさん、何か違うと思うけど」とうなづきあう2人。 「まぁ、ええやろ、なあ、Kよ」とうれしそうにONI。 ところが、こんなデカイ体験は未だかつてなかったKは、体の震えが止まってなかった。 そういえばKの奴、こんなことは初めてだったな。 そう思ったONIは、しばらくそっとしておこうと思ったのだった。 ※ ※ ※ 「よし、帰るで、出発!!」 「おぉー」 放心状態から抜け切れていないのに何故かKが「運転する」とハンドルを握りしめていた。 それを見てONIは言った。 「気をつけて運転するんやで」 「んっ、わかった」とKは言ったが、 心ここにあらずの多少頼りない声でもあった。 ONIは、何かを思い出しつつあったが、はっきりとしないまま、少し不安を感じつつ、 Kに気を配っていた。 そして、しばらく走った頃、それまでみんな黙っていたが、ハイジがポツンと言った。 「ねぇ、ONIさん、私達スゴイことやったんじゃないの」 「まぁ、そうやけど」 とそうでもなさそうにONIが言う。 「何かウレシイ。ねぇ、エリザベスちゃん」 「本当ね。これで何かが変わるといいね」 その時、Kが口を開いて言った。 「ONIさん、まずどんな変化があると思う?」 ONIは応えて言った。 「そうやのー、例えばまず次の選挙で四国が全部自○党以外になるとか」 「プッ」思わず笑ってしまうKだった。 そんなこと信じられないという表情をして言った。 「そんなことが起これば、それは、奇跡と言える」 ホラーのKが信じられないのも当然だ。今まで四国は保守王国で、何をどーやっても自○が 負けるなどとは考えられないお国柄だったのである。 それを身にしみて知っていたKの反応は四国の人間としてはごく自然なことなのである。 「それが次でダメなら、次の次で起こるかも、2回やったからな」 と、尚もONIは当然のように言った。 その時だ!! コーナーから久々の対向車がやって来た。 当然よけるであろうとONIもエリザベスもハイジも思っていた。 ところが何を思ったかKは当たりに行くようにハンドルを切っていた。 正面衝突だ!! 「K!!」 と、ONIの喝にも似た声が、また時間を止めていた。 前から来る車の運転手の顔は、驚きからヒキつけに変わっている。 急ブレーキを踏んだのだろう。 ONIは、ハンドルをつかんで左に引いていた。Kも瞬間的にブレーキをかけていた。 こういうのを見事というのだろうか、形容しがたい。 スロー動画のようで対向車とこっちの車は、数ミリ(マジで)でかわされ、 コスレる音もなくすれ違っていた。 ※ ※ ※ 「おい、K、何やってたんや」 「見、見えんかった…」とK。 「なにぃ~」とONI。 「ホ、ホントよ、ONIさん、全く見えてないけん」 はぁはぁ、しながら真顔で言う、ホラーのK。 どうやら本当に見えなかったようだ。 「生きた心地がしなかったで」と何故か笑顔のONI。 「あーびっくりした」と後ろの2人。 ゆるゆる運転しながらKが言った。 「ふぅ~生きとって良かったぁ~」 すると一拍おいて、ONIが妙なことを言った。 「いや、おまえ、あれで1回死んだんや、生まれ変わったつもりやないで、生まれ変わったんや。 これからはワクワクすることを選ぶようにな。次は助けられんぞ」 このONIの言葉に、Kは2重のショックを受けていた。 事実、”ヨーさん”に弟子入りして修行したというのに、いまいち自分の生きる力を信じ切れてないと、 内心反省していたKだったのだ。 だが、この日は違っていた。 忘れようとしても、しても、何度でも「龍王」が心の内に立ち現れるのである。 (不思議だ、これなのか、これが、体験的学習か) と、Kは心の中で呟いたはずだったのに・・・ 「それを、イベントクロックという」 と、ONIがニヤリとして言った。 ※ ※ ※ この時、ハイジはある出来事を思い出していた。 それは、今から何年か前の精神世界の集会でのひとコマである。 ある女性チャネラーにホラーのKが言われたあの言葉。 「あなたは、もうすぐ死にます」 Kは、あのチャネラーは、自分の事言ってるんだ。 とは言っていたものの相当気にしていた様子だった。 「私にしたって、じゃあ、私、未亡人じゃない、どうなるの」って 冷静さを失わせるような言葉だった。 この時は、T130さんがいて、この場合の死ぬというのは、変化という意味を持っています。 また、バシャールもそんなことを言っていますと言って、救われた気がしたけど、やはり、私達2人共、 心の奥底に、この時の出来事が入り込んで秘かに存在し続けていたんだという思いが、瞬時にして、 今のハイジの心に浮上して来たのである。 それでハイジは、心底「良かった」とまず思っていた。 ONIさんが一度死んだと言った時、その言葉の温かさがストレートに感じられたからである。 この人は、本当にKのことを大切に思ってくれてる。 そして、バシャールが過去も変えられると言っているのは、こういうことなんだ。 そう感じたハイジは、またワクワクとして、ONIの話を聞くのであった。 ※ ※ ※ 「それをイベントクロックという」とONIは言い、また続けた。 「知ってると思うけど、イベントクロックとは人生に起きた出来事で、その人の進歩度を見るっていう プレアデス人の学習体系の一つや、聞いたことあるやろ」 「ある」と輝いた目で答えたK。 ”目”がものを言っていた。 「だから、ホラーのKよ、もはや君に怖いもんはない」 「いや、ある」と、ちょっぴり口元を上げながらK。 「何ィー、ここはないと言ってくれんとアカンところやろ」 と、ONIは、嘆くように言い、 「いったい誰がコワイねん、ハイジちゅうのはナシやで」と言った。 「”ヨーさん”」と、Kはきっぱり言い切った。 「うっ・・・」 「・・・・」 「”ヨーさん”かよ」 さすがのONIも天を仰いで、「そりゃ、しゃーない」と言うほかなかった。 そして二コイチで4の魂たちは名残惜しそうに雄大な四国山上を後にした。 ※ ※ ※ この後、一行は途中で湧水をタンクいっぱい詰め込んで、すみやかにONI宅まで帰って来た。 エリザベスが、おいしいコーヒーを入れてくれるまでONIもごろんと横になっていた。 すると、そこにミャーミャーと小さな生き物が寄って来ていた。 「ONIさんネコ飼ってたん?」 「あぁ、チーママとこのタマに対抗して、わしも飼ってるんや、マタって言うんや」 「マタ、こっち来い」 「何か変やね」とハイジ。 「いや、マタか、結構イケテル名前や」とK。 「まてまて、近頃わしもタマの方がええかなとマジ思とるんや」とONI。 「タマか、やっぱ、ネコはタマやね」と、何かを表情に秘めつつK。 「笑かそうと思とるやろ」とハイジ。 「でも、何も思いつかんかったんやろKさん」(笑) エリザベスがコーヒーをテーブルに運びつつ言った。 ONIも起き上がりコーヒーを飲んだ。 ※ ※ ※ そこで、エリザベスがONIにひとつの質問をした。 「ねぇ”ヨーさん”て来てなかったね」 「そういえば、”ヨーさん”来るって聞いてたから会えるのかと私ドキドキしてたのに・・・」 と、ハイジも言った。 Kは、何ということをというような顔をした。 が、次のONIのひとことでぶっ飛んだ!! 「あぁ~”ヨーさん”来てたよ、見んかった?」 「見てない」 プルプル首をふりながら3人同時に言った。 「あっそう」とONI。 「あっそう、じゃないわよ~ONIさん、何がどうなってるのか説明してよ」とエリザベス。 「えーめんどくさいのー 本当に聞きたいんかー?」 「聞きたい」 「わしも」 「あたしも」 「3人まとめて、3度も聞きたいと願うなら・・・いいやろ」 と、虚空をニラみながらONIが言った。 「ONIさん、”ヨーさん”どこにいたのよ」 ONIは、目を輝かせながら高らかに宣言した。 「今、ここに、たくさんの魂たちがこの話を聞きたいと耳を傾けている。 何億、何十億の魂たちの高いレベルがこの場に集まって来ている。 それを感じたので語ることにする」 ONIは、このように宣言した後、波を発するように言い放った。 『それでは、聞くがよい。これから語られる真実の言葉とその物語を』 ~次号へとつづく~ |
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10.「融合・和睦」 ONIは静かに語り始めた。 「あの時、例の場所で皆でキーワードを念じていたやろ、その時のことや」 「あの時、実はの・・・」 この言葉でホラーのKは深呼吸をし、エリザベスは鼻をふくらませ、ハイジは目を輝かせていた。 ONIは続ける。 「わし、あの時、空中にもいたんや」 「・・・・」 「あの時、瞬間的な”意識の拡大”があっての、ちょうどみんなの・・・えーと、 みんなから見て左手の上空20mぐらいの空間かな、わしはそこにもいた」 この言葉で3人はポカンとした顔になっていた。 その様子を見ながらONIは続けた。 「その空間は、何らかの乗り物で、床は透明で透けて下が見える。しかし、その中は 安心感があり、何の問題もないし、気分は快調だった」 エリザベスがかろうじて質問できた。 「そこに”ヨーさん”が」 「その通り、最初ちょっと、戸惑ったわしは、アレッとか言うてたんや、そしたらそこに ”ヨーさん”がおっての、下を見るように合図したんや。それで初めて下を見て、みんなを 確認したんや、20mほど下にの。もちろん、こっちのわしはみんなと一緒に祈っていた」 「それって、肉体レベルでバシャールの話を聞きながら、アストラルレベルがバシャールの シップの中にも存在しているとかいう話と同じようなこと」 「まぁ、そうやろ。わしは進んでいるから、他の人みたいに調整の必要はないけど、まぁ、 エリザベスの言う通り、ここにもいてあっちにもいるってことや」 ちょっと得意になるONIだった。 「そ、それで」 と、ホラーのKが息詰まりながら聞いていた。 「それでの、”ヨーさん”と・・・・」 と言った後、ONIの顔がみるみるもどかしい表情になって行った。 「ONIさん、それでどうなったの」 と、エリザベス。 ONIは少し困った様子でこう言った。 「憶えてない・・・」 そして続けて、 「忘れている、さっきまで・・・アレッ」 「確か”ヨーさん”の向こうにもう1人、誰かいたはずやけど・・・思い出せん・・・」 「くそぅ・・・なんでや・・・そこから先が消えてる」 ONIは、本当に記憶が飛んでいるようだった。 ONI以外の3人は、顔を見合わせた。 「完全なアゴ落としね」 と、エリザベスが仕方なさそうに言った。 こうなると、もうどうにもならないのを、みんな知っていたのである。 ※ ※ ※ 2007年の6月2日は、ONIにもみんなにも、短くて長い不思議な1日となった。 そんな頃、選挙があり四国がすべてひっくり返ってしまったのを、TVが流していた。 これに驚き、変化の象徴として感じていた人々は多数いただろう。 だが、ONIたちは、これまで描いたような視点で現実を見ていたので、 これは当然の結果であった。 そんなある日、ホラーのKがやって来た。 ※ ※ ※ 「ONIさん、変化の兆し、すごいね」 その言葉に対してONIは、こう返した。 「あっ、これはまだ序の口やで、龍王が出た勢いで、背中押されただけや。 次は恐れが出て、抑え込み、丸め込みに必死になってくる。 その後からが本当の本番や、そこからやで」 「ふ~む、そういうことか」 ホラーのKは納得しながら続けた。 「ところでONIさん、何か思い出した」 「いや、まだ、アカン。あの空間が、シップやったかどうかも確信できん。”ヨーさん”が約束通り 先に行って待ってたのは間違いないと思うんやが、肝心のその先は、まださっぱり思い出せん」 「しかし、ONIさん、次々すごい体験するね」 とKは何げなく言った。 するとONIは、口を開いた。 ※ ※ ※ 「おまえ、何、寝言、言うてんのや、ホラーのK。 おまえもやで、鍵は、ホラーの変革やったんや」 「はぁ~」 理解不能のKは不可解極まったような顔で言った。 「まだ、わからんのか、しゃーないやっちゃのー ほな、こっち来て、これ見てみ」 とONIは、会社の台所にKを連れて行った。 そして、あるものを指さし、「これや、これっ」 と、いくぶん強い口調でKに言った。 そこには、神社やお寺で配られる、いわゆる「お札」が貼り付けられている。 「これ、よーく見てみ、ここ」 何か見た憶えのあるお札ではあった。 「こっ、これは!!」 「そうや、今から20数年前、まだわしらが新入りで、Kがたまたま1人で店番しとった時に 店に現れた異形の僧が置いて行ったもんや」 「2mをゆうに超える大男で、Kはおそろしゅーて泣き半やったと言うとったろ、 ”ビデオ屋の3悪人”には、その時の事が面白おかしく書かれてはいるが、本当は金縛って、 何もできんかったんやろ、あの時のアレや」 「・・・・」思い出しても声のないKだった。 しかし、それがなんで、という疑問の顔をKは見せた。 その時、ONIが、旅の始まる前にド坪とKに見せた本の1ページを開いて、Kに指し示した。 ホラーのKは、おそるおそるONIの指さすページのある1点を見た。 そして、瞬時に振り返って、お札を見た。 同じシンボルが書かれている。 Kの全身は一瞬のうちに霊気で包まれ、シビれていた。 この瞬間、Kの内なる世界では、長~い時が過ぎていた。 Kの内面では、新しい視点を得たことにより、過去の再構築が行われていたのである。 ※ ※ ※ ONIは、また静かな口調で言った。 「Kよ、わしら、えらい前から導かれていたんや」 「当然、他のみんなも、読者も、の」 「・・・」Kは言葉が出なかった。 それを見て、ONIは笑顔で言った。 「さぁて、もう、ひとあばれ、するかぁ」 ホラーのKは、ONIのその言葉を受けて、ようやくいつものニヒルな笑顔を見せたのである。 すると不思議な感覚が二人を包んだ。 二人の意識は、同時に石鎚山系のあの場所に立っている自分たちをイメージしていた。 雄大な景色の中で、木々や石や山々、それに空気までが輝いて光を放っている。 龍王の世界”壺中”と”我々の世界”は、この場を元として新たな段階へとひとつに 統合されて行くのであろうか。 まあ感じとってみ、日々そうなっている。 ※ ※ ※ 「ついに、始まったか」 ここは、神々が人の為に最初に用意したとされる島。 空海やそれ以前、以降から数々の幻視者、修行者達が、結界をはり続けていた真に尊い島なのだ。 一定のレベルに達した修行者なら、このことを共有しているのである。 「未開文明を終わらせる鍵が置かれている場所」 そう、今、ここは、『四国』と呼ばれている。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 魂たちの修行場 未開文明(戦争のある星)から文明社会への転換。 はるかな昔からここに至るため、守り手たちとも呼ばれ、一般にはまったく知られていない 純粋な愛から発生したというある集団があった。 その集まりの象徴は「ヨーさん」と呼ばれている。 そしてその組織は宇宙をも自由自在に操る すべての命の「上」である意識の中心に存在しあらゆる次元で躍動している。 この組織が当然のことながら、宇宙最強である。 宇宙と同じだけの歴史を持つこの組織は 未開文明では存在自体が秘密とされて来た。 だが、どの未開文明でもその文明が 上の文明に進もうと、魂を輝かせ始める時 ほんの少し存在を垣間見る人たちがいる。 そのうちの一人が名づけた名で この組織と存在たちのことは ここ地球では 「連なり」(つらなり) と呼ばれているという。 この名は すべてが連なって成る(鳴る) ということから名づけられた。 「真の教え」は彼らの監督作品だろうなと私は感じている。 おわり 後記 結局、この物語のはっきりとした起点を見い出すとすれば何であろうか。 あり過ぎて特定できない。 これが正直なところである。 その中でも、やはり、”手の物語”の中にいるのを自覚した時といえば、 深夜の青白い柱のような光の出現であったかもしれない。 あのような事が起き、調べ導かれて行くうちに、気がついたら”壺中の龍王”は展開していた。 まことに不思議な物語である。 いったい、壺中の側は何を伝えたかったのか。 「上」は何をKISANGIに記すように促せたのか。 もし、信じられれば、このような物語もあり得るということを教えたかったのか。 ただ、”ヨーさん”は、このような人生のありようが可能で、 むしろこちらを望んで、人生は個々に 用意されていると教えてくれる。 ※ ※ ※ それでは、今の現状を変える力はだれにある。 君だ、君の中にあるはずだ。 今のような未開文明(戦争がある星)にまだ住み続けたいのか。 それとも変えたいのか。 このような欠乏を起点とした経済システムに、何の疑問も感じないなら、君は、夢遊病、寝ている。 自分の意見、ああしたい、こうしたいぐらいは語れ。 そして、そうなる人生の物語を望み、実際に生きるべき時が来ている。 このKISANGⅠも、微力ながら力になるつもりだ。 そう思ったからこれを書いたのである。 ※ ※ ※ この物語は、この後がどうなるのか、わからない。 なんで、好きなように面白おかしく書けばいいじゃん、という声にお答えしよう。 「全部が全部、作り話じゃつまらんやろ」 (笑) というわけで、「壺中の龍王」が今後どうなるかは、書き手であるKISANGⅠも知らない。 ただ何となく、また会えるような気はする。 それでは、また、いつか、記憶の戻った、夜明けに。 お わ り ネット完全版2008年12月30日アップ完了 この物語はフィクションです。 |
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