ホラーのKの 愛とホラーな介護ダメだし日記

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あなたの為になるホラーな話、そしてこの話に霊魂は癒されます。


第1話 第2話 第3話 第4話 第5話




第5話

ホラーのKの『介護ダメ出し日記 5』


 あなたの創り出す時間の中で、こんにちは。

目覚めた人の視点から見ると、
"どんなホラー映画よりもホラー指数が高くなってしまった現実を体験している人"が、
たくさんいると感じる2012年の今日この頃ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか? 

 「世の出来事には必ず意味があり、私達人間はその中から学び、
進化していかなければならない。どんなにネガティブに見える出来事でも、
実はその出来事自体は中立なのだと言う。なので視点を変えじっくり考えれば、
必ずポジティブな意味を与えられるし、ポジティブな現実を創造する事が出来るのだぁ〜」

 と、ワリと有名になったと勝手に思っている"地球存在ホラーのK"が、
"宇宙存在バシャール"より学んだので、まだ知らない人にはシェアしておきましょう。

 また2012年は、地球上のポジティブエネルギーが臨界点を超え、
ますますパワーアップしてくるとの事なので、地球レベルでも、町内会レベルでも、
ポジティブで超ワクワクするようなニュースが飛び込んで来るかも知れませんヨ〜。

 とは言え、天の川銀河のとある太陽系の惑星にある、
特別養護老人ホーム ”瀬戸の風”では、

まだ魔物エネルギーが頑張っていらっしゃると言うので、
いろいろ問題も山積しているとの事だった!!


< インフルエンザ >


 2012年1月を迎えてしばらくした頃、健康には自信のあるホラーのKは
体に何となく微妙な異変を感じたので、昼休みになるのを待って掛り付けの内科を受診した。
病院で熱をはかるまで気が付かなかったが、39度も出ていたのだった。

なので、鼻になが〜い綿棒を挿入する検査をされ、
間もなくインフルエンザA型と言う診断結果が出された。

 看護師の指示に従ってインフル専用の薬を鼻から吸入し、
飲み薬を処方してもらい急いで"瀬戸の風"に戻った。取り急ぎ杉田施設長に報告すると、

 「後の事は、電話で連絡するからとにかく早く帰って休みなさい」
 と、言うので早退した。

まあ老人施設なのでうつしたら大変なので、当然の指示だったと思う。
だが、後になって衝撃の事実が待っていようとは、この時は知る由もなかったのだった。

 その日の夕方、私が家で寝ている間に杉田施設長から、
「本部より連絡が入り、有給が2日認められるそうなのでゆっくり休んで下さい」
と、言う電話があったそうだ。

 熱は翌日下がったのだが体がまだダルかったし、医師から熱が下がっても
2〜3日は人にうつるから、仕事は休むように言われていた。

私の野生のカンも最近では磨きがかかり、約1カ月前の勤務表作成の時に、
ちょうどこの2日間の有給が終わる完璧なタイミングで、土日の連休を選択していた為
4連休となり、充分過ぎるほどの休息を取る事が出来たのだったァ〜。 

すばらすぃ〜い!  実に すばらすぃ〜い!! 



 そして月曜日。気力、体力共に充実しすがすがしい気持ちで出勤すると、
杉田施設長が私の所に来て、私がインフルで早退した2日後から、
Y氏もインフルにかかり休んでいると言うではないか。

それで、「運転手2人が立て続けにインフルにかかった」と、
鈴木事務長を経由して来島院長まで報告が伝わった。

「予防接種は受けているのか」 と、来島院長が鈴木事務長に聞き、
調べさせた結果2人共受けてない事が判明し、その旨来島院長に報告したところ、

「それなら有給なんか認めん!!」 
ツルの一声で有給から欠勤に変わってしまったのだ。

信じられな〜い。

ショートステイの送迎で、インフルの利用者と密封された狭い車中に一緒に居たのだから、
そりゃあうつる事もあるだろうヨ。

 私がインターネットでチェックしたところによると、予防接種を受けると感染しない、
また感染したとしても症状が軽く抑えられるので必ず受ける様にしましょう。

と言う肯定的意見もあれば、咳などで空気中に飛散したウィルスは、
直接的間接的に目や鼻や口の粘膜から侵入して来るので、気道粘膜の抵抗力が
弱っていたら予防接種をしてもインフルに掛る人は掛ると言う意見もある。

そしてある一部の人達からは、予防接種は闇の組織による人類削減化計画の陰謀だから、
絶対受けてはいけないと言う警告のメッセージも...。

予防接種に関してはこれ以外にも様々な方面から賛否両論、幅広い意見で溢れていた!!

 もちろん私が予防接種をしなかったのはそんな理由からではなく、この20年
いやそれ以上病気で寝込んだ事も無く、体と顔には自信があったし、
そして何よりそんな現実を選択する事も創造する事も望んでいなかったからだ。

なので、どうしてこの時期このタイミングでこの現実を創造したのか私も少し戸惑ったが、
おそらく私に霊的進化の学びをさせる為に、より上位の意志が働いたのかも知れない。
ウ〜ン、自然にポジティブで居られる2012年版のホラーのKでした。



 そう言えば1つ思いだしたのだが、1晩寝て熱が下がった日は、
ちょうど「愛の花咲く日本の祈り」を構成する4つの祈りの中の1つ
 "第2回 自分自神への祈り"が
全世界それぞれ現地時間の15時から行われる事になっていた。

本来ならこの日は宿直が当たっていたので、どうしても休みを振り替える事が出来なかったのだ。
しょうがないので仕事の合い間を見計らって秘かに参加するつもりでいたのだった。

 でも、このインフルによって休みを振り替えるどころか、
逆に杉田施設長から休んでくれと言われた。

しかもこんな状況ではあるが、自宅でゆっくり瞑想出来る現実を無理なく創造するパワーって、
やっぱり「手の手配」ってやつですかねぇ〜?

 まあ、そんなこんなで私の周りの変革もより加速しているようだし、バシャールも
「地球人一人ひとりのパラレルワールドの分化も、2012年に入りさらに加速している」

と言う事なので、

私も魔物との争いモードに誘い込まれて自らの波動を下げる行いはしたくなかった。
そう言う訳で、今回のインフル有給なしの裁定に対し、

「来島院長が決定されたのなら、しょうがないですネ」と、
おとなしく愛を持って受け入れる事とした。

 でも3次元的にはこのツルのひと声決断により、もともと超低給なのに、
皆勤と2日分の日給減で私のふところはさらに軽くなったのだった!!

 2012年早々、ホラーのKがこの様なプロセスを経て参加した
"第2回 自分自神への祈り"は、かなりパワフルなものになり、
これにより多くの人々がポジティブなパラレル地球へシフトして行く事だろうと、
ホラーのKの野生のカンは見ているのだった!!


< 推定無罪 >

 とある日曜日の午前中に、特養の2Fにショートステイしている男性利用者Aさんが、
1F玄関近くで1F職員により保護されると言うインシデントが発生した。

 Aさんは帰宅願望がとても強く、チャンスがあれば外に出ようと、
いつも靴を持ってエレベーターや階段の近くに居るのが癖になっている人だそうだ。

しかし、エレベーターも階段も暗証番号を入力しないとドアが開かない仕組みなので、
入居者や利用者が1人では上がることも下りる事も出来ないのだった。

で、2F職員は今回の件の原因を調査した結果、その日オムツ回収をしていた
ロリータのY氏が、"エレベーターで2Fに降りた直後に、
Aさんが入れ替わりにエレベーターに乗り1Fに降りたのだろう"
と言う結論に至ったのだそうだ。

それでその日2Fのリーダーを務めていた唐崎さん(仮名)が、
福老会グループ共通ウェブ上に"インシデント報告"することになったのだ。

 翌日Y氏のもとに「インシデント報告者としてY氏との連名にします」
と、唐崎さんが杉田施設長を通じて内線して来たそうだ。

これに納得のいかないY氏は直接唐崎さんに、
「何の根拠があって僕の名前を出すのか聞きたいけん、時間とってくれる?」と、内線。
「そしたら、杉田施設長も呼びますヨ」と対決姿勢の唐崎さん。

で、Y氏も念のため
「悪いけど僕だけでは言葉が足りなかったらいかんけん、K氏も同席してくれる?」
てな訳で私も一緒に話を聞く事になったのだった。



 こんな現実がポンポン進み、その日の15時から話し合いが行われた。出席者は、
杉田施設長、綾小路看護師長、ケアマネの白井(仮名)、唐崎、Y氏、ホラーのKの6名。
事情は全員理解していたが、はじめに唐崎さんよりインシデント内容の説明があり、その後


唐 「原因はY氏がエレベーターを降りた後、ドアが閉まるまで確認をしなかった為だ」
と、付け加えられた。それに対しY氏は

Y 「帰宅願望が強い利用者が居て、いつも靴まで持ってエレベーター近くに居るのを分かっているのに、しっかり見守りしていなかった2F職員全員に100%責任がある。自分達のミスを棚に上げて人のせいにするな!!」 厳しい口調に変身のY氏。

唐 「この利用者については、入所される前に朝礼で相談員の方から詳細報告されていますし、職員申し送りノートにも書かれていたのにYさんがエレベーターを降りた後注意を怠ったのではないですか?」と、唐崎さんも一歩も引かない。

Y 「確かにその日その時間にエレベーターで2Fに降りてドアも確認してないけど、それだけで...」と、ここでY氏の話を遮るように杉田施設長が割って入ってきた!!

杉 「それだ!! それに間違いない!!! 今回の原因はそれ以外に考えられないのでY氏との連名でインシデント報告して下さい」と、いきなり断定してしまったのだ。

   そこでいよいよホラーのKも中立の立場で突入し、唐崎さんへの質問。

K 「誰かY氏がエレベーターを降りた後、Aさんが乗るのを見た人はいますか?(いいえ、と返事)。エレベーターは面会者も使うし(その日はまだ面会者は居なかった)。
   そして何より職員もよく使っているのではありませんか?
   職員の利用状況は調べたのですか?(............?)」

杉 「いやこの状況を考えると、Y氏以外は考えられない」と、どうしてもY氏のせいにして、早く終わりたい様子の杉田施設長に、Kより一言。

K 「杉田施設長、確たる証拠もなく、目撃者も居ないのに状況だけで推理しY氏のせいにするのは、おかしいのと違いますか?裁判でも証拠がないかぎり、推定無罪が原則なんですよ!!」と言うと

杉 「すッ!」と、人を見下すように鼻で笑った。ついに、杉田施設長の悪い癖が出た。本人は気付いているのか、いないのか分からないが、不愉快な仕草だった。

   ここで綾小路看護師長、ケアマネの白井さんが参入してきた。                   
綾 「Yさん、インシデント報告は別に人を罰する為と違うんですよ」

白 「そうですよ、報告したからと言って賞与にひびく事は一切ありません。これを見た人が同じ様なミスを起こさせないように、注意喚起を促す為なんですよ」

   この2人も、さもY氏だと決めつけているようだ。

K 「いや、我々が言っているのはそんな事じゃなくて、だれもY氏か他の人か分からないのに、個人名を出す必要性はないんじゃないですか」

杉 「そしたらどうすればいいんですか?」 と、半ばなげやり気味に施設長。

K 「とにかく誰だか正確に分からない以上、推論や憶測で断定するべきではない!!名前を出さなくても、ちょっと考えれば報告書くらい書けるでしょう。逆の立場だったらどう思います? ひょっとしたら、階段かも知れませんヨ」

   そんな事を私が師長やケアマネと話している間に、Y氏は施設長と話していたが

杉 「なに〜〜い!!!」と、突然施設長がコブシを振り上げて立ち上がったのだ。

全員施設長が振り上げたコブシをどうするのか注視したので、さすがに施設長もバツが悪かったのか、スローモーションでコブシを降ろしながら腰もおろしたのだった。

 何でそんなにエキサイトしたのか。私の野生のカンではおそらく私達の言う事の方がスジが通っているのを自分でも分かっているのだが、魔物の望む様な今まで通りの結論に持って行く為の言葉が出て来なかったのだろう。で、そんな自分自身に対して怒りが爆発したのかも知れない。そうこうしている間に、私とY氏はデイの送迎の時間になったので退室し、話し合いはお開きとなったのだった。




人物を特定するに足る確たる証拠も目撃者も居ないのに、その状況だけで、
その場に居なかった者達だけの推論で断定し、平気で人を傷付け、
正義を語っている輩がこの"瀬戸の風"にはまだ住んでいた。

魔物のきげんをとる為だけに、無理に誰かを悪者にするのではなくて、
真実だけをありのままに報告すればいいのだ。

自分のハートに手を当てて、真の自分に恥ずかしくない行動を心掛けたいものだ。

 地球レベルで加速しているポジティブエネルギー風をキャッチし、
ホラーのKと言うフィルターをとおして、

この"瀬戸の風"に吹かしまくりまくってやりましょう!!
あまりの気持ち良さの為に、魔物も天使に変身するかもネ。

                              〜おわり〜

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制作・編集/著作  APIASANGYO・ANG編集部/©ホラーのK








第1話 第2話 第3話 第4話 第5話





第4話

ホラーのKの『介護ダメ出し日記 4』

 あなたの創り出す時間の中で、こんにちは。

 2011年、地球レベルの変革はますます加速し、
その表面で生活する人類にも様々な変化をもたらしている。

 日本でも地形を変化させるほど激しく揺らした大地震、
そして街ごと呑み込んだ想定外の大津波により、東北地方3県は甚大な被害を被った。

 この場をお借りして、多くの犠牲者の方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
そして、被災地の1日も早い復興も重ねてお祈り申し上げます。

 地球にとっては小さな身震いかも知れないが、
我々人類にとっては計り知れない大きな影響を与える出来事だった。

 この様な人類が到底想定出来ないような大自然の摂理の中で、今回の原発事故の様に
自分達で処理しきれない危険な物や技術を、世に出すべきではないと痛感させられた。

 放射能を何万年も出し続ける核廃棄物を、
いったい誰が責任を持って安全管理出来るのでしょうか?

 何万年も生きて最後まで責任持てる人間以外は、原発の責任なんて取れませんね。
 そんな長生きする奴、おらへんやろ〜。 

 そういう事なので、今後は新たなる安全なエネルギーの研究開発と、
安全に原発を終了させる方の技術研究にシフトして貰いたいと願う、
ホラーのKだったのだった!!



 一方今回の出来事で、世界中の国々や人々からの様々な支援や援助、
国内でもボランティア等の人的援助や義援金他、東北地方を応援するハンパなく大きい、
愛に満ちたエネルギーが感じられた。

 このホラーのKも、あまりの愛の暖かさについ目頭が熱くなり、
まるで自分の事の様に有難かったので、感謝のエネルギーを大盛りで返しておいた。 

 それにしても、きっかけこそ辛くて悲しい出来事だったが、
地球上の愛の力も集まればすごいパワーになるものだ。 

「弱い者ほど、助ける」 「足りない物ほど、補ってやる」
 と言う親交世界では基本となっている「愛の奉仕行動」が自然と出来ている。

 少し前に日本全国に巻き起こった"伊達直人現象"もそうだが、世の為人の為に
見返りを求めない"無条件の愛"ある行いは、自分がするのも、人がするのを見ていても、
精神的に気持ちが良いし、心が温まりますネ。
 これはおそらく魂が求めているエネルギーなので、気持ちいいし心温まるのですネ。

 ならば、魂のおもむくままに「愛の奉仕行動」の連鎖を世界中で起こし、
気が付けば地球も親交世界の仲間入りをしていた。と言う作戦はいかがでしょう? 
 無理をせず、自分に出来る事からやれば、きっと、出来る!! 

 なお、この作戦に共感・共鳴された方は、いつでも、何処でも、誰とでも、
自由に参加して下さい。入会金、年会費、参加費等一切無料です。
 所により完璧なタイミングで、宇宙のサポートを得る事が出来るかも知れませんヨ!!
 ホラーのKの、大いなる独り言はこの辺にして、そろそろ本題に入ります。
 
< 魔物の毒牙 >

  2011年1月 宿直業務を主にしていた麦田さん(仮名)が退職された。

 麦田さんは、69歳と言う年齢ながら土日を含む週3日は、
夕方5時半から翌朝8時半までの宿直業務と、残りの週4日は
朝8時半から昼の12時半までの日勤業務を、
特別な用事がない限りほぼ毎日こなしていたスーパーな仕事人だった。

 彼は義理人情を重んじる昔気質の頑固な面を持つが、どちらかと言えば人情の方に重きを置き、
常に相手に細かい配慮をするタイプの人だった。

 自分が入所してもおかしくはない年齢だったが、若い頃痛めた膝が少し弱い以外は、
体力と健康には自信があったので休まず勤務出来たそうだ。

 入居者とも兄弟の様に親しく接し、楽しそうに働いていたのにまさかこんな事になるとは。 
 いったい何故、麦田さんは辞める決断を下したのだろうか?

 本人曰く、「前からこの施設の職員の扱い方や、現場の意見を全く聞かず
一方的に下される本部の決定事項に対し、その都度いろいろ意見を言って来たのに、
一切耳を貸してくれなかった。今までそんな施設の為に一生懸命頑張って来たが、
さすがにバカらしくなった」との事だった。
 
「ここは、わしやKさんの能力の30%位しか引き出せてないのぉ?」
 「ホントにもったいないのぉ」と、

いつも口癖のように施設の出来の悪さを嘆いていたが、
今度ばかりは我慢の限界を超えてしまったらしい。

 体力的にはまだまだ行けそうだったが、魔物の毒牙は精神的に作用するのだった!!

 私と麦田さんは、年齢こそ離れているが性格も考え方も似ており、業務上の話や
施設の体質についての認識も共通点が多かっただけに、仲間が減るのは非常に残念だ。

 でもまあ私はまだ負ける訳にはいかないので、利用者へのより良いサービスの為、
そしてそれを行う職員が気持ちよく働ける環境に改善する為、麦田さんの分まで
楽しませて貰おうと勝手に決意を新たにする、愛の奉仕者ホラーのKだった。

< ホラーな面接 >

 福老会本部は、すぐハローワークに後任の求人を出した。

 幸い2週間位で新しい人が決まり、「年齢は64歳の方で、何処かのホテルで
フロントマネージャーをしていたそうなので、色々教えてやってくれ」 と、
鈴木事務長より杉田施設長に連絡が入った。 

 その日の内に新しく決まったAさんが施設見学にやって来て、
杉田施設長が施設内を案内しながら主な業務を簡単に説明したそうだ。 
しかし、Aさんは初出勤日には出て来なかったのだ。

 杉田施設長からは宿直業務のほんのさわり部分を聞いただけなのに、
「自分にはとても、ようしません」と、後から電話で断りが入ったそうだ。

 接客業であるホテル勤務だったと聞いていたので期待していたのに、
試しもせずにドタキャンするなんて明らかに変だ。

 私は、まるで何らかの力が働いているかの様な、違和感を感じていた。 

 その後しばらくして、また杉田施設長が違う人(Bさん)を案内していたそうだが、
この人には案内の後すぐ断られたそうだ。

 "瀬戸の風"開設以来史上初!! 

採用決定者による謎の"初出勤前辞退"の大記録を
2人連続で打ち立てられてしまったのだった。

 福老会本部の鈴木事務長による1次、2次面接を経て採用決定された人が、
2人連続で1日も勤務する事無く採用を辞退するには、何か深〜い訳があるハズだ。

 さすがに魔物と言えども入社前の人間を餌食には出来ないだろうし。
だが実は、ホラーのKの野生の勘はAさんの時点で、
かすかなニオイを感じ取っていたのだった。



 それからさらに2週間位経った頃、60過ぎのCさんが採用された。
 今度は無事出勤して来たので、普通ならごく当たり前の事なのだが、
杉田施設長を含めた一同の者ホッとひと安心。

 Cさんは定年になるまで、トレーラーを運転していたそうで年金も夫婦でかなりな額を
貰えるけど、体が鈍らない程度の仕事をしようと応募して来たそうだ。

 それで1日目の朝、大体の仕事内容は面接時の鈴木事務長と、
施設案内時の杉田施設長から聞いているだろうから、

私とY氏は1日を通した流れを説明しながら、
業務の詳しい説明をする事にした。

 送迎、受診、清掃、芝生の手入れ、宿直業務、汚物回収、備品修理、
他私達が受け持っている業務の内容を丁寧にレクチャーした。

 ハイハイと良い返事をしながら熱心に聞いてくれたが、メモを取らないのと
時折見せる戸惑いの表情が、少しだけ気になった。

 それでも、流れ通りに仕事をこなす手際はいい方だった。 
 休憩時間にCさんとの雑談をしている時、戸惑いの訳が分かった。

「面接で聞いた事より、日勤の仕事内容がかなり忙しそうなし、宿直もあまりする事無いけん、
部屋でテレビ見とったらええ言うて聞いとったのに、する事ようけあるねえ?」 
と、正直に話してくれた。

 Cさんはお金はどうでもいいから、もっとゆったりと、のんびりと、
楽な仕事が出来ると思っていたそうだ。

 しかも、休憩場所にはエアコンも無く、ゆっくり休むことも出来ない事も、
不思議がっていたのだった。

 まあ、当然と言えば当然だ。

 我々が休憩しているのはケアハウスの階段部屋1Fの踊り場で、
階段を除くと約3畳程しかないスペースに、椅子を3個置いただけなのだ。
しかも、1個はY氏自作の折りたたみ椅子だった。

 ちなみに廊下を挟んだ向かいには、年間で数回しか使用されない
約20畳程の理事長室があった。

 こんな現実を垣間見たCさんは、次の日退職を申し出て2日間で"瀬戸の風"を卒業
(自主退学と言った方が正解か?)して行ったのだった。



 最初は早く決まってくれる事を期待していた新入職員だったが、
こんな事が続いたのでやがて期待も薄れ始めた。

 土日を含む週3日、
月間12日も宿直していた麦田さんが抜けた穴は非常に大きかった。
 後の職員がこの12日間を埋めなければならないのだ。

 土日なんて誰もしたくないが、杉田施設長が泣いて頼むもんだから、
新しい人が決まるまでと言う条件付きで順番に割り振り入る事になった。

 なのにいつまで経っても決まらないので、みんなやきもきしていた。
 そんな中Dさんが決定し、施設長が施設内を案内して回っていたそうだ。

 だが...、またまた...、NO出勤だった。

 ここまで来ると異常と言わざるを得ない。
 この2ヶ月間で採用決定されたにも関わらず、1日も出勤する事無く
入社を自ら辞退した者 計3人、入社2日で退職した者1人。

 この未曽有の就職難の現実の中で、この現象。
もう、笑うしかない。

 ヒャヒャヒャヒャヒャ〜ッ!!



 Eさんが採用され3月から勤務に入った。 57歳のEさんは、温厚で
もの分かりもよく、柔軟な考え方で自分の現実を創造していたようだ。

 面接で聞いた事と実際にするべき事の矛盾をいくつも挙げていたが、
「縁あってここに入ったのだから」と、新しくより良い現実を創造する為、
細かくメモを取りながら仕事を覚えていた。 

 Cさん・Eさんの証言から、やはりAさんの時、
私の野生の勘が感じ取っていた通りだったようだ。

 結論から先に言うと、福老会本部の鈴木事務長による面接が、
正しい情報の基に行われていなかったのだった!! 

福老会グループ全施設の人事を1人で切り盛りしているので、
面接の人数もかなりなものだろう。

 施設により業態や業務内容が違うので、各施設については大まかな説明で、
福老会グループの事に主に時間を割いていた。

その結果、採用された施設で詳しい説明を聞いて、初めて
自分の思い描いていた事と違うのに気付き、
今回の様な現実が生まれてしまうのだ。

 ホラーのK的対策案としては、グループ全施設にそれぞれ人事担当を置き、
自分の施設の面接には必ず同席し、該当部署の業務説明は
その担当者が責任を持って行う様にする。

 当たり前の事だが、詳しく知らない人に面接され、遠慮がちな求職者は質問もせず、
何となく採用されてしまった。

 と、いう何ともホラーな面接では、本人も企業も結局、時間と労力の無駄である。
 職員を信用出来ない魔物の殻を壊し、進化するべし! と祈ろう。

 自分の面接の時を思い返せば、私は1日の業務に占める運転業務の割合とか、
公休や有給休暇の勤務規定とか、宿直業務の細かいメニューなど疑問に思う事を質問し、
鈴木事務長も分からない事はその場で"瀬戸の風"に電話して聞いてくれた。
 お互いがよく分かり合わないと、面接は成立しない。

 私の場合、ハローワーク日記でご存じだと思うが、面接だけは場数を踏んでいるので、
逆に私の方が企業を面接して吟味してやろうと、色々質問するのである。
 いつも言っているが 「自分の現実は、自分が創造している」のだから、
出来る事はやっておかないとネ。

< 受診 >

 Eさんが入社して約10日、施設内の業務は一通り出来るようになった。
 送迎については軒数が多いので、まだ一緒に回って1件1件家を覚えている最中だった。

 そんなある日、2名の病院受診が入ったので一緒に行って教える事にした。
 しまなみクリニックに到着してからの流れを、実際に行いながら順を追って説明した。

 受付を済ませて待合室で待っていると、Eさんの受け持っている
利用者さんが呼ばれたので、車いすごと診察室に入った。
 続いて私も呼ばれ、別の診察室に入った。

 いつもの様に何事も無く診察はスムーズに終わり、薬を貰って帰設の途についたのだが、
瀬戸の風では魔物の影が私達2人を待ち受けていたのだった。

 ある職員から聞いた話だと、今日の受診の件で
院長がカンカンに怒って電話があったとの事。
 私には、全く身に覚えのない事だった。

 次の日、杉田施設長がそわそわしながら何か小さい用紙を待ってやって来た。
「今度から受診の時はこの用紙を持って行き、診察室内でドクターから言われた事をメモして、
帰ったら事務所に提出して貰うようになりましたから」と、私とY氏に用紙を見せた。

 受診連絡用紙と書かれた紙には、受診者名、ドクターからの指示、次回の受診日、
付添者名などを記入するように印刷されていた。

「こんな用紙いちいち書かなくても、指示は直接電話で来ているし、次回受診日も帰ったら
必ず相談員かケアマネに申し送っていますけど」と、最初はやんわり断った。 

すると、
「昨日クリニックから受診の時の態度が悪いとか、挨拶も出来ていないとか、
メモも取っていないなどの指摘があったので、気をつけて下さい」と、言うではないか。

「子供じゃないんだから、挨拶くらいはちゃんとしていますよ。大体、態度が悪いとは
一体どう言う態度の事ですか?」この時点では、杉田施設長も把握出来ていなかった。

その後、Y氏も加わって互いに四の五の言い合って、
お互いにもう少し検討しようと言う事でその場を収めた。

 だが、事態は思わぬ方向に展開して行く事になる。 

 いったい宇宙は何処まで、ホラーのKを突き動かし、
何を求めていると言うのだぁ〜?



翌日の朝礼で、杉田施設長はいきなり受診連絡用紙の件を発表したのだった。
「なにを〜」と思った私より素早く、ロリータのY氏が朝礼後の杉田施設長を掴まえていた。

「実際に受診に連れて行っているボクらの意見も聞かずに、何で勝手にそんな事決めるんですか?
 ボカァ〜納得いかんけん、決定に関係した人との話し合いを開いて下さい。」

 その2日後、"受診改善委員会"が開かれた。

 出席者は、杉田施設長、綾小路看護師長(仮名)、有栖川介護主任(仮名)、ホラーのK、
ロリータのY氏、新人のEさん(途中参加)の計6名だった。
 綾小路看護師長は公休を取っていたが、急きょ出勤して来た。

 
 K  「一体誰のどう言う言葉から、こんな決定がなされたのですか?」

綾小路 「クリニックの○○看護師から電話が入り、診察室内で腕を組んでいてドクターが話しているのに、メモも取らなかったそうです。診察室の出入りの時の挨拶も無かったそうですし。え〜と、新しく入ったEさんだと思いますが」
                         
有栖川 「それで、受診連絡用紙を作成したので、これにメモして下さい。書く事が無い時には、書くフリだけで良いですから。で、帰ったら提出して下さい」

 K  「Eさんは入社してまだ10日で、受診も今回が初めてだと言う事は、クリニックの○○看護師も知っているでしょう。確かに腕を組んだのは良くないですけど、本人にとっては癖で無意識でしたことですから、それに大事にしなくても本人に直接言ってあげたら済む事じゃないですか・・・しかも、書くフリって・・・?」

 Y氏 「もうこんな幼稚なこと止めましょうや。お互いええ大人なんだから院長が怒っとる言うけど、院長はボクらが運転手じゃ言う事を知っとるけん、ボクらには何も聞かんヨ。本当に院長なんですかぁ〜?」

有栖川 「いいえ、それは確認していませんけど」

 K  「専門知識も資格も持って無い運転手の私達に、いったい何を求めているのですか。 私達の仕事は、安全に送迎することですヨ。介護の人か看護師が受診者に付添うべきじゃないのですか? 他の施設では運転手は付添人と受診者を送迎するだけです」

綾小路 「分かっていますが、職員の数が少ないのでそれが出来ないのです?」

 K  「私は以前、寝たきりでよく痰の絡む利用者を1人で受診に連れて行った帰り、途中で急変したが何も出来ず、車を飛ばして帰りヒヤヒヤした経験をしている。 それから何度となく施設長や相談員に、介護か看護の同行を求めて来たが、未だに改善されていない。 職員が足りないのであれば、増員して貰うよう上に働きかけていますか? とにかく、人数がどうのこうのより利用者の安全を第一優先に考えないとダメですヨ。とにかく運転手に、専門的な事を求めないで下さい。それでも今まで通り1人で行けと言うなら、私もハッキリ言いますけど、もしもの時の責任は指示した人に取って貰いますヨ。それと、クリニックの看護師やドクターには、瀬戸の風からは運転手が連れて来ているので、専門的な事は瀬戸の風に電話で連絡する様に伝えておいて下さい。」




 こんな感じで私とY氏が、杉田施設長、綾小路看護師長、有栖川介護主任の
瀬戸の風トップ3を前に、小1時間ほど一方的に"ご指導ご鞭撻"をさせて貰ったのだった。

 何回か話が逸れ受診以外の多岐に亘ったが、
全て3人には耳の痛い事だったろうと思う。

 ただ、今回させて貰った"ご指導ご鞭撻"は、自分達が決して楽をしようとするものではなく、
あくまでもこの"瀬戸の風をより良くする為"だと言う事も付け加えておいた。

 杉田施設長には今まで何回も意見して来たが、綾小路看護師長、有栖川介護主任は、
普段施設内ではおとなしく仕事していた私とY氏が、まさかここまでハッキリものを
言うとは思っていなかったと見え、少しショックを受けた様だった。

 今までこの施設内で当たり前になっていた魔物的思考により、
麻痺していた"良心"が目覚めてくれることを祈りたいホラーのKだった。

 受診連絡用紙については、改良された事もあり私達も協力する事にした。



"受診改善委員会"からしばらくして、寝たきりで痰の多い人や容態の悪い人の受診時とか、
大きいワンボックス車での送迎時には、必ず1人サポートが付くように改善された。

 また、クリニックの看護師の態度もガラッと変わり、運転手は診察室に入らなくてもよくなり、
処置や連絡事項などの専門的な事は、直接電話で連絡するように改善された。

 杉田施設長に言っても改善されなかった事が、アッという間に改善された。
 さすがは、綾小路看護師長、仕事が早い。

 "受診改善委員会"で私は杉田施設長に強くまくしたてるフリをして、実は
綾小路看護師長と有栖川介護主任に聞かせていたのだった。
 
 今回は新人のEさんの受診時の態度に端を発した出来事だったが、結果的にはいろいろ
改善する事が出来て、僅かではあるが瀬戸の風も進化した。

 "受診改善委員会"での ご指導ご鞭撻で他にも改善があったが、
それはまた別の機会に譲る事にしよう。

 ただ、新人のEさんは、この件を気にして1カ月で退職して行ったのだった。 残念!
 でもひよッとするとEさんは、この事だけの為に入社して来たのかも知れない。

何故なら "世の中は、偶然ではなく、必然で動いている"からだ。 
だからEさんも学びの過程で、今回の出来事を体験する必然があったのだろう。

これで、"銀河の夜明け"がまた1歩、近づいた事になる。
やっぱり、"愛媛の夜明け"くらいにしておこうか?  それとも......

〜お・わ・り〜 



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ホラーのKのハローワーク日記


制作・編集/著作  APIASANGYO・ANG編集部/©ホラーのK








第1話 第2話 第3話 第4話 第5話





第3話

ホラーのKの『介護ダメ出し日記 3』

 あなたの創り出す時間の中で、こんにちは。

 老人介護業界の厳しい環境の隅っこで、自分の持てる能力をフルに駆使して
愛のある奉仕を楽しんでいる、ホラーのKです。

 私が自分の能力の中で一番気に入っているのは、人を笑わせて癒すスマイルヒーリングです。

 もともと私は小さい頃から、人をどうやって笑わそうかと考えるだけでワクワクする程、
笑わす事が大好物でした。

 それで、利用者、入居者等の高齢者は、たとえひと笑い数秒間でも寿命を延ばす為の
生きる力を呼び起こしてくれれば良いし、職員も魔物のストレスを笑い飛ばして
解消出来ればいいなあと思い、日々様々なネタを研究しているのである。

 そしてなるほどと感心している、あ・な・た・も癒されているハズです。
 でも中には、内容があまりにも非現実的で笑ってしまうと言う方もいらっしゃると思いますが、
全て私が実際に体験している事実です。 
 
< 臭い物にはふたをする >

 時の流れは早いもので、私が入社してもう12ヶ月目に入った。
 異業種から移って来た私には、周りで展開する現実は見る事聞く事
お初の事だらけで、少々戸惑う事もあった。

施設内の決め事は、福老会本部からのトップダウンで降りて来て、
杉田施設長以下全員が厳守しなければならない。

 組織の指揮命令系統上当然と言えば当然なのだが、何しろ我が福老会本部には
お魔物様がお住みになられていらっしゃるので、後先考えずにお決めになっている事が
多々あるのでございます。

 例えば福老会グループのある施設で、事務所の机の上に置いていたお金が
行方不明になったという事で、全施設事務所職員以外事務所に出入り禁止令が発令された。 



 ある日、私が朝の送迎から帰って来て車のキイを戻しに事務所に入ろうとすると、
事務の佐藤女史が入口に仁王立ちして立ち塞がったのだった!!
 そして私からキイを取ると、

「別にKさんを疑っている訳じゃないですけど、事務所でお金が無くなったので
事務職員以外は出入り出来なくなりました」

 と、まるでこの施設の事務所から私がお金を取ったような言い方で、
送迎前まで普通に出入りしていた事務所への入室を拒否された。

 一方的にまくしたてられ、状況が呑み込めなかった私だったが、
よくよく聞いてみると他の施設の出来事だと言う事が分かった。

 私は佐藤女史ではなく、杉田施設長に問いただした。

「杉田施設長、そしたら宿直や日曜出勤の時は、事務所に入れない訳ですから来客の応対や、
電話対応もしなくていいですね。」 

「いや、その時は入ってもいいですから応対して下さい」 

「事務職員が大勢いる昼間や平日は出入り禁止なのに、事務職員のあまりいない夜や日曜日なら
いいなんておかしいのと違います? 逆でしょう? もし、そんな時に何か無くなったら
私のせいにされ兼ねないので、やっぱり宿直は辞めた方がいいと思いますが!」 

「いや〜、その〜、宿直などの場合は特別ですから、その〜、やって下さい」 

「だいたい何処の施設か知らんけど、机の上にお金を置いたままにしている事務職員の
ずさんなお金の管理の方を、注意して改めさせたら良いだけと違いますか?」 

おお〜神よ! 何の罪もない子羊を、簡単に犯人扱いする魔物達を許したまえ〜!!

 ☆

また、こんな出来事もあった。

 それは何の前触れも無く、福老会グループ全施設の休憩室を含む敷地内完全禁煙命令の発令。

 おそらく何処かの施設の誰かが何かをやらかしたのだろうが、
わたし的にはタバコは吸わないし健康のためには良い事だと思っている。

 だが、当施設には喫煙者が3割弱いるので、色々と影響が出てきそうだと思っていたら、
意外にも吸わない私の所に1番最初に現れたのだった。

 と言うのは、ほとんどの喫煙者はあまり使われていない
1F霊安室から裏に出たところで吸っていた為、
杉田施設長がいきなり霊安室をロックして封鎖してしまったのである。
 ここでも職員を全く信用していない面が現れ出た。

 子供じゃないんだから敷地内禁煙と言っただけで充分理解出来ているのに、少しやり過ぎだった。

 しかも、基本的魔物の考えらしく後先の事を考えず安易に霊安室を封鎖してしまったものだから、
今度は杉田施設長がホラーのKの洗礼を受ける羽目になったのだ。

「杉田施設長、霊安室を封鎖してしまったら汚物の搬出が出来ませんよ!」

「ここを開けておいたらまた皆が喫煙したらいかんので、汚物はランドリーから搬出して下さい。」

<建物の反対側にあるランドリーからだと50mも遠回りになるやないか!>

「ツルツルした大袋に入っている汚物を6〜8個も台車に積んで、こんなに遠回りをしていたら、
私は大丈夫ですが田中さんだったら5m行く度に落としますよ! 袋も経費節約で極薄だから、
落としたら破れてそこら中、う○こまみれになってしまいますけど...」

「いや〜、だからゆっくり行ってもらうといいんですが〜。出来るでしょう?」

「雨が降ったらさらに滑りまくり、散らばった○んこには手も足も出せませんよ!」

「困ったなぁ〜、 何とかならんかなぁ〜?」

「どうしてもと言うならば、霊安室を出た所にある汚物を収納するあの大きな金網を
ランドリー前へ移動させて下さい。そしたら汚物を安全に収納出来ますので。」

「それも出来そうもない。 困ったなぁ〜」

「杉田施設長! 何でも決定する前に、あらゆる事をシュミレーションした上で決めて下さい!!
 だいたい喫煙者への対策の為に、何でタバコを吸わない私達が影響を受けないといかんのですか?

 おかしいでしょう!! 

これは、明らかに業務に支障をきたしますよ。
 誰も好きでうん○集めている訳じゃないんですから。」

「・・・・・・?」

そんなこんなで私の中の疑問を全てぶっつけたが、何の進展もなく取りあえず汚物回収の時だけ
霊安室のカギを預かる事で、決着を付けたホラーのKだった。

 ☆

 滅多に起こらないネガティブな出来事や、施設の意にそぐわないごく一部の人達の
ネガティブな面の方に焦点を合わせ、関係ない人々にまで
ネガティブな影響を与えようとする思考パターンは、正に臭い物にはふたをして済まそうとする、
基本的魔物の考え方そのものと言っていいだろう。

 私達はそれに惑わされる事無く、理不尽な事やおかしいと思う事に対しては、
勇気を持って問いたださなければ、より良い現実は手に入らない。
 
< 綺麗なバラにはとげがある >

 デイサービスの利用者や、ケアハウスの入居者の楽しみの1つに、花見イベントと言うのがある。
 3月の観梅会、4月は桜のお花見、5月のバラ祭り、11月には紅葉狩りと
季節の花を愛でるイベントだ。

 瀬戸の風では、マイクロバスなどに分乗してドライブがてら出かけ、
利用者や入居者にはワクワク気分を充分味わって貰っている。
 ただ、職員は花どころではない。
 万が一の事態に備え、1人1人ほぼマンツーマンでの見守りに集中している。

 足元のおぼつかないのを忘れた高齢者は、色とりどりの蝶?の様に
思い思いの花に魅せられ、散っていくので目が離せないのだった。

 それでも、花を見て自然とほころぶ笑顔からは、花と同じ癒しのエネルギーを
放射しているのだろうと、1人勝手にたそがれるホラーのKだったのだった。

 ここでクエッションで〜す。

 さて、これらのイベントには参加費はいるのでしょうか?
正解は、バラ祭りだけ必要で〜す。

 と言うのは、バラ祭りにはしまなみ海道を渡って行くので、
高速料金の実費を参加人数で割った金額を支払うとの事。

 しかも、仕事で行っている職員までも請求されたのだ。
 おまけに職員の参加費の件は、帰ってから初めて知らされたと言うから驚きだ!

Y氏はバスを運転して行っているのに請求され、有無を言わせず当然の事の様に集金されたそうだ。
 信じられなぁ〜い! なんて施設だ!!

「社会福祉法人 福老会  特別養護老人ホーム 瀬戸の風」(仮名)です。

 第2問で〜す。

 さてこれに対して、請求された職員はどんな行動したでしょうか?
正解は、内々でブツブツ言っていたが、結局施設側に正式には何も申し入れなかった。
 と言う行動をして、参加費を支払うと言う現実を創造した。
 
 明らかにおかしい事なので、自分には嘘は付けない事を知っている私なら、
自分の内面に湧き上がった様々な疑問は、正直に表に出す事にしている。

 今回の場合だと、杉田施設長か本部に対して、矢の様な質問のあめアラレだったろう。
 もちろんそれはより良い現実を手に入れる為だ。

 でも、自分を変えられるのは自分だけなので、
彼らの選択に対して私にはどうする事も出来なかった。

 とにかく、来年は出発前に参加費を確認し、今年と同様に職員からも集金すると言うのなら、
職員は誰も参加しないであろう。

< 少数精鋭 >

 先週まで送迎の助手としてたまに一緒に回っていたデイサービスの新人職員が、
ある日突然ランドリーに配置転換されていた。 まだ入社半年なのに。

 いつもニコニコ笑顔で「私、デイの仕事が楽しくて大好きなんです」と言って
イキイキと働いていたのに、先週末に挨拶した時、珍しく顔が曇っていたので、
どうしたのかなって思っていた矢先だった。
 
 もともと年配の職員からは、
覚えが悪いだとか、利用者受けが悪いだとか言う愚痴は聞かされていた。

 私はその都度
「人それぞれ顔が違うように、また声変わりや毛の生える時期が違うように、
成長の仕方にも個人差があるのだから長い目で見てやらないといかんよ」
と言っていたのだが、状況が許さなかったようだ。

 1人減った影響で送迎の時の助手が付かなくなり、私も少しは忙しくなるだろう。
 また、魔物の野郎か!

 今年の春入社した新人職員には、大学や短大、専門学校で資格を取っている即戦力型の人と、
今回移動となった職員の様に普通科高校を卒業して、介護に関して何も知識の無い人とがいる。
 後者に関しては世間では、初社会人と言う事でもあるので、時間をかけてじっくり育てていこうと
入社させたと見るのだが、魔物の考えはそうではなかったようだ。
 
 ホラーのKが独自に捜査したところ、瀬戸の風のデイサービスには
資格をいくつも持つエース職員が2人いるのだが、
少数精鋭などと言う魔物騙しの言葉で職員の人数を制限されているので、
新人教育にはあまり時間が割けない。

 それより送迎、入浴、トイレ誘導、食事介助、マッサージ&リハビリ、リクレーション、
他、健康管理も含めて様々なメニューをこなすのが精一杯と言ったところか。
 それでも1カ月位はエース2人が業務を一通り教え込んだらしいが、後の教育は年配職員に任せ、
自分達は利用者を先導する役目に徹している。

 厳しい状況の中で本当に良くやっていると思う。
 しかし、もし2人のエースが更なる進化を望むのであれば、是非とも後輩への指導、
分かり易い教え方を学んで貰いたい。魔物にはない愛のある教え方を。

 それは、許し、そして、待つこと。
 
デイサービスのこれからの進化を、私も温かく見守る事にしよう。



 福老会上層部も即戦力を望むなら、大卒か専門学校卒の資格取得者のみ採用すべきだ。
給料が安く抑えられる高卒を採用し、同期入社の資格取得者と比べ、
出来ないからとたらい回しにして、初めて社会に出た純粋な若者の心を、
いたずらに傷付けるべきではない!!
 
就職難の時期だからこそ、高卒の人も1人でも多く採用し、ゆっくりじっくり教育し
社会に貢献出来る人間に成長させてあげる事こそ、真の意味での社会奉仕だと思う。

 ランドリーへ変わった新人職員には 

「ランドリーの立場からデイサービスや特養の仕事を観察、勉強していたら、
戻るチャンスは幾らでもあるけん、しっかりやってこい!」

と励ましを入れておいた。
くさらず、今のまま明るく成長することを祈る。

 < 魔物の根源  >

 社会福祉法人福老会に入社するともれなく
職員の心得、仕事への姿勢、身だしなみのチェックの3冊の小冊子が貰える。

 これには、福老会にとって便利で都合のいい立派な介護職員になれるよう、
精神的にも肉体的にも業務的にも非常に細かく、そして厳しく指示されていて、
職員としての義務は果たす様しっかり管理される事になる。
 しかし、職員として行使できる権利については、大っぴらに堂々と隠されている。

「この、如何にも自分達にだけ有利になる不公平なシステムは、何なんだぁ〜?」

と心の声が叫んでいるのに、自ら聞こえない振りをする職員達は、
義務と権利のアンバランスさに、ストレスだけがどんどん累積するのだった。
 
 そんな所に導かれてきたのは、偶然ではなく必然だと知っているホラーのKなので、
やるべき事は完璧なタイミングと野生の勘に教えて貰いながら、ただ行動するのみ!!



 瀬戸の風では、特養、デイサービス、ケアハウスの全ての部署で
人事的なトラブルが後を絶たない。

 原因は前にも少し書いたが、ほとんど魔物の影響によるストレスからだ。
もともと福老会自体、秘密主義と言うか魔物のベールに覆われて全体像が見えてこない。

 社内規定とか福利厚生とかの内容が、一般職員には公表されていないのである。
 誰に聞いても知らないし、存在すらも知らないし、おまけに関心までもないのだった。
 そして何かあった時にだけ、「規定でこうなっているから、このようになります」
と言い渡される訳だ。

 例えば、入社7か月目から有給が付く事になっているが、何日か分からない。
 何年目で何日付くと言う基準を聞いても、言わない。

 さらには、病欠した職員が有給を申請すると、
休み1日目は有給は認められず2日目の1日だけ認められる。
 つまり病気で1日だけ休む人は、給料から皆勤手当と日給がカットされるのだ。
 ただでさえ安給料なのに、容赦ないのである。

どうも有給の取り方にも秘密の制限が掛っているらしい、これでは有給としての意味がない。

 あ〜あ?

 でも、これで驚いていてはいけないよ! なんと、忌引きでも欠勤扱いだそうだ。
 それで勤務表の他の休日と振り替えようとしても、
1度決めた予定は例え職員同士の穴埋めが出来ても変更不可との事だ。
 意地でも皆勤手当を引いてやるぞと言う魔物エゴだ。
 
 まだまだ、こんなもんじゃないよ!!

 最近、こんな魔物施設がいやになって退社した2人の職員からの情報だが、
辞める時は3か月前に福老会特製の辞表を書かされるそうだ。

 そこに福老会が指示する退職日を記入させられる。
 なぜなら、それは3ヶ月後の月末1日前の日にちでないといけないからだ。

 当然、それも「皆勤手当なんかやらないぞ」作戦だ。

 そして、最終月は「辞める奴には社会保険は半額負担しないぞ」作戦も用意されていたそうだ。
 おそらくそれに従わなければ「どうせ少ないけど退職金に影響するぞ」作戦が
睨みを利かせていたのだろう。

 顔を真っ赤にして悔しがっていたが、それでも責任感が強かったので、退職翌日に無給で出勤し
残務整理をしていると、本部の指示で部外者は事務所内立ち入り禁止と強制的に出されたそうだ。

 ひどい、ひどすぎる!!

「立つ鳥、後を濁さず」と綺麗に去って行こうとする者の、足を掴んで引きずり落とし
泥水の中に沈めようとするスーパー魔物的思考のなせる業の数々だった!!!



 <自分ところの職員に平気で、よくこんな扱いが出来るなぁ> と思っていたら、
瀬戸の風がオープンした時からのケアハウス職員が、来島理事長の考えを教えてくれた。

それによると 「職員の代わりなんか、なんぼでもおるぞ!」 だそうだ。

<だからどうだ、と言うところまで聞いていないが大体想像がつく。 ウン?> 

<あ〜ッ!やっと分かったぞ、これだったのかぁ〜! 魔物が誕生した根源は!!>

 福老会の理事長であり、瀬戸病院の院長でもあり、文字通り組織のトップが
こんな考えを持っていると言う事は、「言う事を聞く職員を上手に使えるだけこき使い、
辞めたら幾らでも募集しろ」的な指示を鈴木事務長に出し、それを厳かに遂行させているのだろう。

 突然だが、ここでバシャールの教えを1つお伝えしよう。

 全ての宇宙、全ての次元、全ての領域ですでに常識とされている真理を。
「与えたものが、受け取るもの」
これは、どんな人間でもどんな存在でも、自分のしたことは必ず自分に返って来ると言う意味だ。

 すぐ返って来るか、何年か先か、或いは来世かも分からないが、
良い事でも悪い事でも必ず返ってくるのだ。 皆さん、良い事だけをしましょうね!
ちなみに、お釈迦さんも同じ意味の事を自業自得と言う言葉で表現しています。

 話を戻すと、鶴の一声で魔物が誕生し、以来職員の入れ替わりが激しくなった。
 そして時と共に、辞めた職員と言うか辞めざるを得なかった職員によって、
家族や友達を始め再就職先の他の介護施設やハローワークに至るまで広く、
受けたひどい仕打ちの宣伝活動をしてくれていた。

 ある職員によると、ハローワークで瀬戸の風を紹介して貰おうと申し込むと、
「ここは受けて採用されてもすぐ辞められるから、他を当ってはいかがですか」
と忠告されたそうだ。

 そんなこんなで、すでに募集を掛けても介護職、看護職、作業療法士、機能訓練士など、
応募者が現れるのにかなりな日数を要するようになっている。

 この現状を魔物はどう捉えるのか? 如何なる対処を取るのか?
 いずれにしてもこんな形で返って来ている自分の発したエネルギーは、
否応なしに受け取る事になる。



 より良い環境のもと、明るく生き生きした笑顔の職員達が、連携の取れたチームワークで
1人1人の入居者や利用者に接すれば、その真心は必ず伝わると確信している。
 その為には、もちろんトップの考え方が劇的に変わるのが1番早いが、
それはトップのハイヤーセルフに任せる事にする。

 地球の波動が上がって来ているので、魔物もそう長くは居られないと思うが、
待っていても何も変わらないので、今まで通り私は私の出来る事を、
完璧なタイミングで、ただ行動に移すだけだ。

 自分の心の声に従い、勇気を出して、大胆に!! そして、愛を持って。
 
そんな私を見て、1人でも多くの職員が気付いてくれる事を、祈らずにはいられない。
自分の現実は、自分自身が創造していると言う事を。
 
 誠に勝手ながらこの場をお借りして、最後まで読んで下さった皆様に、
ホラーのKのハートの中心から感謝と無条件の愛をお送り致します。

 「あ・り・が・と・う」 

最後に、1日も早く戦争の無い親交世界への仲間入りを願って、祈らせて頂きます。
人類の、真の世界平和と繁栄が達成されますように!!

          〜おわり〜



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第1話 第2話 第3話 第4話 第5話





第2話

ホラーのKの『愛とホラーな奉仕活動 2 』

 あなたの創り出す時間の中で、こんにちは。

目に見えない何らかの力に導かれるように、老人介護の世界に足を踏み入れたホラーのK。 
そして、この業界内でもおそらく特殊な考えを持つ "特別養護老人ホーム 瀬戸の風"  

施設に渦巻く、理解不能な非常識の数々!  姿かたちを変え闇にうごめく魔物たち!!
これから始まる物語に比べれば、ホラーな前作でさえ、ほんの序章でしかなかった!!! 

なにおぅ〜  このうえいったい 何があると 言うのだぁ〜!!

< 心の掃除を楽しむ男 >

 朝の送迎から帰ると、施設の清掃が待っている。
 2階3階の居室と廊下が私の受け持つ守備範囲だ。

 朝の特養は朝食や入浴の他、入居者のオムツ交換や着替え、
それにシーツ交換等が行われる為、あまりの忙しさに介護職員は殺気だっている。

 少人数で対応しているので疲れとストレスは一気にピークに達し、
こんな時に職員同士がぶつかり、辞める辞めないの世界へ発展するのだ。

 少人数なのはある意味自分達の責任なのだが、それを演出しているのが魔物なのだ。
 と言うのは、全国的にも低い介護業界の給料の割に、この施設の異常に悪過ぎる待遇に加えて、
厳しい職員管理をしようとする、組織上層部のネガティブな力(魔物)に対するストレスが、
3Kの業務で疲れ切った職員の心の弱い部分につけ込み、ネガティブエネルギーを
増幅させられた職員同士の摩擦を演出していると、私の野生の勘は見ている。

 ここで重要なのは自分自身の内観をし、ハートの中心が自由に愛を叫べるように、
内的完成を目指す事だ。 より高く広い視点を手に入れる事だ。

 私が送迎から帰るのは、そんな修羅場が収まった頃なので、巻き込まれることはない。
しかし、糸くず、小さい綿ぼこり、固く乾燥したご飯粒、髪の毛他、粉の様なミクロな
変なゴミが、ベッドや机の下など床のあちこちにいっぱい散りばめてくれているのだった。

 だが、私が一旦掃除機を手にすると、私の目線は鋭く床を見据え、全てのゴミをスキャンし、
瞬く間にピッカピカ。 それは、まるで踊るようなホース運び&本体の取り回し、
流れるようなコードさばき、生き物のように刻々と変わる吸い口の角度。

どれを取ってもプロ級だと自負している。

 でもこれは、ワルツでもタンゴでもない、ソウジなのだ。
 何も考えずこんな事を楽しみながら、ゴミだけに集中していると、
不思議と"無"になれるのだった。

 これはもう、いわゆる一つの瞑想ですネ。 ただゴミを取る。
 そして気が付くと綺麗になって気分良く、心も晴ればれってな感じ。

 もうちょっとカッコ付けさせて貰うと、
床のゴミを取りながら"心のゴミ"も取っていたのですねェ〜



そんなプロ級の私を持ってしても、手が出せない事態に遭遇した事があった。
 それは、ある居室に入る前、明らかに怪しい匂いがしたので、
もしやオムツ交換をしているのかなと思ったが、
誰も居なかったのでいつもの様に床に目をやり踊るように掃除していた。 

しかし、窓を開けているのにいつまでも私にまとわりついて来るのだ、例の匂いが! 
それで、ふと顔を上げて見るとベッドの横にある机の上に、
何やら白くて丸い物があったので近付いて手を伸ばしたところで、
 刺激の強い香りに「ウッ!!」と息が詰まった。 

約3秒後、私は後ずさりをするとそっと掃除機のコンセントを抜き、
何事も無かったように隣の部屋へ脱出したのだった。 

有るハズのない所に堂々と置かれていると、かえって気が付きにくいのか?
 そんなこたぁ〜ない! こんな刺激臭を無視出来るハズがない。

では、誰が何の為に? 不可解な謎は深まるばかりだ。 にしても、涙が出るほど強烈だ。
この強烈を扱う介護職員には、頭が下がる。 尊い! でも、取り扱いには充分注意を!

「わぁ〜、臭い。 だれ〜? オムツ忘れとる〜 ウッ!!」

と言う声を聞いた時、すでに私は2つ先の部屋で踊っていたのだったのだった!!

< 恐怖のムカデ事件 >

 送迎、清掃と並び私の3大メインミッションの1つが、芝生の管理だ。 
水やりなどは、スプリンクラーがあるので定期的に場所を変えるだけで良いのだが、
雑草抜きはそう簡単にはいかない。 これぞ正に地球の神秘、抜いても抜いてもキリが無い。

 数日かけてひと通り抜き終わった頃には、最初の所にもう次の奴が控えているのだ。
 まさか雑草に大自然の驚異をまざまざと見せつけられるとは...。 

"たかが雑草抜き、されど雑草抜き"

 そんな出口のない体力ゲームをしているのを、知ってか知らずか知らないが、
6月終わり頃社内ウェブを通して福老会内全施設に、本部の鈴木事務長から
芝生の手入れをするよう通達があった。

 ウェブをチェックした杉田施設長(仮名)は、
私とY氏の所に来て早急に草抜きをするよう命じた。

 あれだけ毎日外に出て草抜きしているのに、節穴の目を持ち、
現場にはあまり興味の無い杉田施設長でした。
 このホラーな杉田施設長には色々伝説があるが、いずれ明かされる事になるかも? 
それから少しして、事件は、起こった。



 その日は昼前から草抜きを始め、昼休みの後 「よしっ!!」 と気合を入れ
軍手をして1つ2つ抜いたところで、右の軍手がどうもしっくり来ないので、
小指の上を摘まんで引っ張ろうとすると、何かがモゾモゾとした後、
稲妻が走ったような激痛に見舞われた。 反射的に軍手を外し芝生の上に叩きつけた。

 すると中から、約17,8センチ位で真っ黒なムカデが這い出て来るではないか。
 私は痛みを堪え右手小指の付け根を左手で圧迫しながら、足で踏み潰してやろうと思った。
 しかしその瞬間、さらに輪をかけた様な超激痛に襲われたのだった。

 私は無意識に割れてはいない腹筋に力を入れて必死に痛みと闘いながら、
溢れ出る血と共に毒を吸い出す事を優先した。

 2回、3回、と口で吸いだしては吐き出すを繰り返したが、
気が付くとムカデ野郎は消えていたのだった。

 さすがは神経毒だけあって走り回りたい程痛かったので、
看護師に診てもらいに2階のナースステーションに駆け上がった。
 いつも満面のぶっちょずらをしている、この施設の妖怪一味に属する池内看護師(仮名)と
井関看護師(仮名)に事の次第を話すと、これ以上無いという程の満面の笑みに変わった。

 人の不幸をこうも喜んでくれるとは......。 

ひょっとすると、私は満面の泣きっ面だったのかもしれない。
 結局、看護師ではどうする事も出来ないので、消毒だけして貰い
しまなみクリニックに受診の運びとなった。



 噛まれて1時間後には、しまなみクリニックに到着していた。
 外来の湯川先生(仮名)はアクリノール液、リンデロンVG軟膏で創傷処置してくれ、
ロキソニン錠とムコスタ錠100を処方してくれた。

 この時も痛み続け、およそ4〜5時間は続いた。
 また、かなり腫れて熱を持っていたが、薬が効いて夜には痛みはひいてきた。

 少し気になったので、夜インターネットでムカデに噛まれた時の処置について調べてみた。
 それによると、絶対映画の様に口で毒を吸い出してはいけないと言う事だった。

「まいった、吸っちゃったよ〜」

 と、1人つぶやくホラーのKだったが、あとの祭りだ!
噛まれたら、まず流水で傷口をよく洗う事が1番。

 その後、病院に行き解毒して貰わないといけないとの事。
 翌日傷口を診せに行く事になっていたので、「解毒しなくてもいいんですか」
と、湯川先生に聞いてみたところ、

「ムカデぐらいで解毒なんかしなくても大丈夫よ」
と、右から左へ受け流されてしまった。

 カルテを書くのに、ムカデに噛まれたと書くか、刺されたと書くか分からなかったのにである。
 こっちはインターネットで調べて知っているのだが、ここでそれを言ったら
医者としてのプライドを傷つけてしまうので、あえて控える事にした。
 小指の腫れも少しひいた事だし。

 しかし、毒が体内に残っていたのか1週間後にまた痛みと腫れが起こった。
 今度は小指が親指を上回る程腫れあがり、先を何かでちょっとでも突けば、
プルッと一気に皮が剥けそうな位パンパンになり、
しかも内出血の様に痛々しく黒ずんでいたのだった。 

湯川先生も原因が分からず頭をひねっていたが、この日初めて抗生剤を処方してくれた。
 机の上にパソコンを置いているのだから、さっさと検索すればいいのに、
変なプライドと言う名の魔物の餌食になっていた。
 結局、完治するのに約1カ月程要したのだった。



 さて、実はここからが "恐怖のムカデ事件" になる。 

私がしまなみクリニックに受診したのが1ヶ月間で3回、治療費が社会保険適用で
合計3000円程掛ったので、治療費請求の為杉田施設長の所へ行った。

「施設長、治療費の領収書を持って来ているのですが、出して頂けるんでしょう?」
すると、考え込むように首を捻りながら

「いや〜ぁ、出ないと思いますよ〜ォ?? 労災にもならないだろうし。」
 と自信なさげな返事。

 < なぁ〜にを〜!! 調べもせずに他人事のように〜  まぁ、他人だが >

「本部の鈴木事務長の指示で、草抜きしてて起こった事故なのに、
どうして治療費がでないのですか? 労災でしょうこれは」

「いや、たぶん労災にはならないと思います」 

< だから、たぶんじゃなく調べろや >

「それじゃあ、仕事中の事故での労災の基準は何ですか?
最低、骨折位しないと労災にならないんですか? 

ムカデに噛まれて死ぬほど痛い思いをして、
全治1カ月掛ったくらいじゃ労災と言えないんですか?

 それとも3000円位じゃ恥ずかしくて労災申請出来ないんですか? 
一体どこからが労災なのか、ちゃんと基準を示して下さい!!」

 そこまで詰めて、やっと本部に問い合わせておくとの返事を貰った。
 しかし、2日たっても何も言って来ないので、こちらから聞きに行った。
 すると、まだ聞いてもいないと言うではないか。

 < いくら鈴木事務長が苦手でも、仕事は仕事だぜ!! >

「とにかく仕事中の事なので、労災だろうが施設の経費として出そうが、
どちらでもいいですから早く返事下さい。 何なら私が直接鈴木事務長に電話しましょうか?」 

「いいえ、私が聞いて返事します」

「もし、本当に治療費が出ないのであれば、脚立に登ってする電球交換とか、
高い場所での作業、ハサミやカマなど刃物を使った作業など、
危ない事は今後一切出来ませんから!」

と、ダメ押しの一言も付け加えておいた。 

するとその日の夕方に、施設の経費として出す事になったと、やっと返事があった。

<よしッ!! 魔物一丁あがりィ〜>

女性の多い職場なので、今までは仕事中に受診が必要な怪我をしても、
誰も施設長に聞いたり、私みたいに詰め寄ったりようしなかったので、
仕方なく自腹のまま泣き寝入りしていたのかも知れない。

 また、仮に施設長に聞いたとしても、今回の様に"どうせダメだろう"と
勝手に判断する魔物効果により、施設長の独断でシャットアウトされていた可能性がある。
 そんな訳で今回の事件は、今後の為の道筋をつける事になったと思う。 

< 愛に満ちた汚物収集 >

 私が入社する数カ月前まで、汚物(使用済みの紙オムツ)の収集は
介護職員がやっていたそうだが、結構重いので男性職員でやってほしいと依頼があり、
ロリータのY氏が引き受けたそうだ。

 大きい台車に新聞紙を敷き、各階を回って大きいビニール袋に入った汚物を集めるだけだが、
割とキツイ仕事だ。
 エプロンにマスク、そしてゴム手袋の完全防備に身を包み、
集めるのだが水分が多いので女性には少し厳しい重さだ。

 何個も運ぶとさすがの私でも息が切れるので、呼吸も大きくなり例の香りを
一気に吸い込みそうなところだが、腹に力を入れて息を止め、
降ろした後少し移動して呼吸を再開するよう心掛けている。

 "ウン"が良ければ、3回に1回は成功するが、"大なり小なり"吸い込んでしまうのだった!!
人間、何事も体験する事。 これ、即ち"勉強"なり
 もともと女性には優しいロリータのY氏。

 3Kの業務を少しでもサポートしてあげようと、Y氏のハートの中心にいる
愛と言う名の存在が、Y氏を突き動かし二つ返事で引き受けてあげたのだろう。
 すばらしい〜!! 心温まりますね〜ェ。

だが、実際に収集しているのは、ほとんど田中さんと私だけだった。体温まりますね〜ェ。
 こんな愛に満ちた汚物収集車は、朝と夕方の2回、施設内を"運行"しているのだった。

< 危機一髪∴病院受診と冷や汗 >

 私の主たる任務である運転業務には、デイサービスの送迎と病院受診の送迎がある。 
デイサービスの送迎は、足腰は多少弱っていても健康な人なので、
乗り降りさえ気を付けてあげればいいのだが、特養入居者の病院受診の場合はそうはいかない。

 これは私が実際に体験した、身も凍るようなホラーな出来事だったのです。

 それは陽ざしの柔らかい春先のある日の午後の事だった。

 相談員より特養のAさんの病院受診に言ってくれるよう依頼があった。
 もう病院受診には何度も言っているので、慣れていたハズだった。

 しかし、Aさんと言う方はもうずっと寝たきりで、鼻から管で栄養を入れている人だった。
 寝たきりと言ってもずっと眠り続けていて、枕元にたん吸引の機械が置いてあり、
看護師がよく吸引している人だったので、少し不安がよぎった。

でもまあ、今までの人もやっていたのだろうから、私にだって出来ないハズはない。
 リクライニング式の車いすを少し倒した状態で、車に乗せて出発した。

 ルームミラーで時々後ろを確認しながら、なるべく振動の無い様に注意を払って運転し、
なんとか何事もなくしまなみクリニックに到着した。

 診察はすぐ終わり、処方箋を待ってクリニック前にある薬局で薬を貰った。
 ここまでは順調だった、が、車に戻るとAさんの様子がおかしい。

 のどにたんが絡んでゴロゴロ言って、微かに息苦しそうに見えたので、
これはヤバイ事になったらいけないので、急いで帰る事にした。

 だが、こんな時に限って信号によく引っ掛かるもので、
そうこうしている間にAさんの状態もますます苦しそうになった。

 ゴロゴロ音もさらに大きくなり、ミラーを覗くと口の中で
唾かヨダレの様な物が泡状になっているのが見えた。

 さすがの私も少し焦りが来て、背中に薄っすら汗をかくのを覚えたが、
なにぶん私の専門外の事なのでどうする事も出来ない。

 なので「Aさん大丈夫? Aさんしっかりして。 Aさんガンバレ!!」
 そんな様な声を掛けながら、ミラーも何度も見ながら、とにかく必死で飛ばした。
 おそらく、私の心臓の鼓動も車に負けないくらい速く打っていたと思う。

 やっとの思いで施設にたどり着いた時には、冷や汗がビッショリだったのだった!! 

そして、帰ると同時に相談員を呼び、状況を説明した上で適切な処置をして貰った。
 私もホットしたが、私以上にAさん自身が1番ホットしたと思う。

 だけど、病院受診のたびにこんな危ない事をしていてはダメだ。
 患者が急変するか、患者を気にするあまり交通事故を起こしてしまってからでは遅い。
 私は、これからも増えるであろう病院受診の送迎システムを、
早急に改善する必要性を強く感じたのだった!!

 ☆

 この件があって以来、意識が無い人の病院受診には、介護職員か看護師同行の必然性を
訴えて来たが、今だに改善されてはいない。 理由は職員の数が少ないからだそうだ。
こんな眠たい事を言って安全性を脅かし、いつまでも運転手1人に押し付ける相談員の目を、
魔物マジックから覚ましてやる必要がある。

 こんな危ない事を、今まで誰も指摘していなかったのが不思議でならない。
 Y氏ですら私が言うまで気が付いていなかったのだ。

 また、クリニックで患者の事を聞かれても、担当外なので全然答えられず、
先生は不審に思うし、運転手の方も答えられない罪悪感を覚え傷付くのだ。

 私はただ患者さんの安心安全な送迎の為に、そして的確な症状の説明および処置の
指示受け取りの為、これからも介護職員か看護師同行の必然性を訴え続けるつもりだ。 

ちなみに、福老会グループ(仮名)の他の施設は、
ちゃんと専門の担当者が同行しているのだった。

< 魔物も焦がす猛暑かな >

 地球の変革も加速され、今年は梅雨が明けるといきなり"猛暑くん"がやって来た。
 これほどの猛暑くんには滅多に出会う事が無いので、各方面に様々な影響を与えたようだ。

 もちろん、"瀬戸の風"にも猛暑くんはやって来て、利用者、入居者、職員と全ての人に
その存在感を示し、なんと魔物にまで影響を与える事になったのだった。

 世間一般ではこんな猛暑くんの場合、普通は冷房で対応するのだが、ここ瀬戸の風では
「除湿で27度にしなさい」と本部より通達があった。
 夜ならまだいいが日差しが入る昼間は、全然効かない。

 入居者から文句を言われた職員が、こっそり冷房に切り替えようとしても変わらない。
 温度を下げようとしても下がらない。

 < くそ〜ッ、魔物の奴、やりあがったなぁ〜 >

 そう、全館集中管理をされているので、居室のスイッチを変えても変わらないようになっていた。

 あまり動かない入居者でも暑いのだから、動き回る職員は当然汗だくだ。
 たまらなくなった職員が、「エアコンが効かない」と杉田施設長に言うと、
何を思ったのかメーカーに電話して「除湿にしているのに、効かない」と修理を依頼した。

 メーカーの返事は「冷房にして下さい」との事だった。

 さすがに、猛暑くんが続きだすとやっと「冷房27度」の指示が来たが、
入居者がホールに移ると居室はこまめにスイッチオフにされるのだ。

 私は、猛暑くんと一緒に汗だくで居室の掃除機掛けを楽しんでいた。

 上品な私はハンカチで汗を拭っていたのだが、いつしか
必然的に"首からタオル"になっていた。
 そのタオルですら、ビッチョビチョ!!

 ☆

 そんな猛暑くんが続くある日、体調を崩した入居者を
しまなみクリニックで診て貰ったら、熱中症だった。

 先生曰く、「何で施設の中で熱中症になるの?」と、不思議そうに頭を捻っていた。

 <それは、福老会に巣食っているエゴが創り出した"魔物"が、自らの欲望に駆られて
過度の経費カットをしたせいですヨ!!>  と、テレパシーで言ってみたが、

どうやら先生にはテレパシーが通じない様だった。

 この"欲望魔物"の過度の経費カットは多方面に及ぶが、
それはまた別の機会に譲るとしょう。 

 ケアハウスでは、個室の電気料金はそれぞれ入居者が支払うので、
「熱中症予防の為エアコンを付けて下さい」と言っているのに、
皆が使う共有の場所(電気料金施設負担)は付けられていない。

ホールでも、エアコン(弱風)は食事の10分前からしか付けず、
おそらく30分か1時間位しか効かしていない。 

また、普通入った瞬間は何処でもヒヤ〜ッとする玄関にも、
エアコンはあるが付いていない。猛暑くんのパワーは強まるばかり。

 とうとう入居者の怒り爆発!! 杉田施設長にカミ付いた。
 あまりの怒り様に杉田施設長では対応出来ず、鈴木事務長に判断を仰ぐ始末。

 結局、玄関は夕方5時まではエアコンを付ける、ホールも少し早めに付けて、
風力もアップさせる事で決着がついた。

 特養の方も、面会客からのクレームが多く温度を1度だけ下げ26度にしたのだった。
職員を思いのままに操っていた魔物だったが、天地宇宙には逆らえず、
猛暑くんのパワーで身を焦がされあえなくパワーダウン。

 いっそこのまま、溶けてなくなれ〜ってか?



 特別養護老人ホーム 瀬戸の風 を覆い尽くす魔物たち。

 影響力は職員までで止まるかなと思っていたが、やはり回りまわって利用者、
入居者にまで及んでいる事もあった。

 恥ずかしい話だ。

 入社以来、日々を重ねるごとに周りから魔物の情報が入って来るが、
あまりの強大な権力の前に、職員も戦意喪失状態だと言う事が分かった。

 ただ、私は杉田施設長をはじめ魔物を創造している組織上層部に対しても、
神抜き(愛の足りない)の指導、命令、通達や、筋の通らない事に対しては、
今までもそうだがこれからも全く引くつもりはない。

 何故なら、真の自分自神には嘘は付けないからね! 

でも、全てが神抜きと言う訳ではないので、本当に世の為人の為になる事ならば、
少々しんどい事でも従うつもりだ。

 そんな私を見て来たY氏も、
「今まで面倒くさいけん何でも、ハイ、ハイ返事しよったけど、
今度から僕もおかしいと思う事は問いただす事にしようわい」
と、魔物マジックから目を覚ます決意を語っていた。

 私はこのように、1人が2人、2人が4人、と徐々に目を覚ます事を強く願いながら、
愛のある奉仕活動を楽しむ事にしている。

利用者、入居者が安心して過ごせるように! また、職員も喜んで奉仕出来るように!
そして何より、全ての人の愛が自分自神のハートから自由に出ていけるように!! 

"愛の創造は無限に拡がる。そして私はそれを永遠に、楽しみたい!!!" 


 =おわり=


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ホラーのKの旅日記


ホラーのKのハローワーク日記


制作・編集/著作  APIASANGYO・ANG編集部/©ホラーのK








第1話 第2話 第3話 第4話 第5話





第1話

ホラーのKの『愛とホラーな奉仕活動』 

 あなたの創り出す時間の中で、こんにちは。
加速された時の流れを感じながら、より良い自分を創造する為、
毎瞬毎瞬の今をワクワク楽しんでいるホラーのKです。 

 平成22年1月、介護関連施設に再就職し今月で9か月目に突入したが、
いろいろ覚える事が多いので夢中で楽しんでいると、"あっ"と言う間に時が流れていた。 

こんな時、バシャールの教えによると実際に"あっ"という間しか年を取ってないそうだ。
 まっ、どっちにしても私は、この20数年ワクワクしっぱなしだったので、
全然年を取った気がしていない。

 むしろ精神的には若返ったとさえ思えるほど、充実した人生をエンジョイしている。
 ただ、残念な事に腹は少しボヨヨ〜ン星人かも? ついでに、側頭部に ホワイトヘアー。
 でも気にしません、外見は。 今を楽しみ続ける事が一番!!  

 と言う訳で、年を取ってない私が、年を取った老人介護を通して如何に世の為、人の為、
そして、自分の為に奉仕したか、皆さんに分かち合う事にしましょう。



< 特別養護老人ホーム 瀬戸の風(仮称)>

 穏やかな瀬戸の風が吹き抜ける当施設は、自然環境豊かで空気はもちろんのこと、
見ているだけで癒されそうなロケーションは最高だ。 
さらに建物は機能的で新しく、リゾートホテルのようなゴージャス感さえ漂っていた。

  社会福祉法人 福老会(仮称)が運営している当施設は、ショート・ステイや
デイ・サービスなども行っていて、高齢者の様々なニーズに応えられるようなシステムだ。 

また、自立して生活できる高齢者の為の施設も併設されている。
 入社前の施設見学の時、「あ〜、これからこんな素敵な施設で働けるのかぁ〜」 

と、私の感動はスーパーワクワク波動となり、
私の中心で愛を叫びながら全方位的に発振されたのだった。

 ホラーなハローワーク生活も、まさにこの施設に導かれるまでの時間待ちだったのかも知れない。
ワクワク波動で愛に満たされていると、不思議と過去の体験も
ポジティブなものになっているのだった。

 ただ、ホラーのKのハイヤーセルフが描いたシナリオなので、
いろいろなプロセスが用意されている事は私の"野生の勘"を働かすまでもなく予想出来ている。
 ましてや"手の手配"となると、さらに......?



 縁とは妙なもので、施設見学の時、玄関前で1番初めに会った職員が、
約20年ぶりの再会となった"ロリータのY氏"だった。

 彼はバブル景気真っ盛りの頃、APIA SANGYOで私と一緒にビデオレンタル業務をしていた。
 ホラーを極めたホラーのKに対抗して、ロリータのY氏は純粋に心のおもむくままに
ロリータ道を追求していた。 

旅に出たまま連絡も途絶えていたが、まさかこのタイミングで出会うとは。 
世の中偶然はないから、Y氏とはまだ必然的なプロセスが残っていたのだろう。
 時に、彼はピンクが好きだった。



 奇遇にもY氏と同じ部署になった私の主な任務は、デイ・サービスやショート・ステイの送迎、
病院受診の送迎、車の管理、施設内の清掃、備品の修理、植木・芝生の管理、
他運営上発生する様々な用務を一手に引き受ける、言わば"何でも屋"なのである。 

そして週1で回ってくる宿直業務。 

これには手当も付くが、それ相応の精神的緊張と肉体的疲労も、もれなく付いて来るのだった。 
しかし、基本給自体かなりホラーな額なので、宿直に関しては生活の為、
喜んで楽しませてもらっている。

 とまあ、特別養護老人ホーム 瀬戸の風でこれらの業務に従事し、
利用者が快適に過ごせるように、また現場の看護師、介護職員、事務所職員が
スムーズにケア出来るようにサポートするのが、
私の腕を存分に振るえる奉仕の場だったのだった〜!! 

それが、まさか、あんなに、次々と、ホラーなイベントが待ち受けているなんて!!



< 瀬戸の風 に潜む魔物 >

 それは入社1週間程過ぎた頃だった。
 朝出勤するとまず職員同士お互いに挨拶しあうのが自然な動作なのだが、
時々こちらから挨拶をしても返って来ない事に気付いた。

最初は聞こえなかったのかなと思って気にしなかったのだが、
ある時あきらかに目と目が合った状態で挨拶をしたにもかかわらず、無視するのだ。
 このホラーのK様を!! 

きつい、きたない、くさい、の3Kのストレスで大変なのは分かっているが、
ホラーのKまで一緒にして4Kにされては困りまんがな。
   
だが、やがてそんな職員が看護、介護を問わず何人も生息する事が判明した。
 毎朝、朝礼で5,6種類の挨拶の練習を全員で唱和しているのに、全くの空念仏だぜ! 



 挨拶の件も謎だが、この施設は妙に職員の退職が多くて、
私がある筋から耳にしたところによると、どうも同僚との人間関係が原因らしい。
 専門用語で言うとイジメだ。

介護にしろ看護にしろ、ほとんどが女性で占められている言わば女社会なので、
キツイ言葉で露骨に怒鳴り合うらしく、新人であろうがなかろうが容赦ないそうだ。
中には利用者の前でも平気で罵声を浴びせる妖怪どもも、
何食わぬ顔で施設内を闊歩しているとの事。 

 入社してもすぐ辞める人も居たりして、本部の鈴木事務長(仮名)も職員が減る一方なので
遂に非常事態を宣言する始末。 それによると、もしイジメの事実を発見した場合、
他の施設(福老会内)に移動させるとの事。

 人と目を合わせても挨拶しない無視人間、
気に入らなければいびり倒して退職に追い込む妖怪たち。
 他の職員から見れば正にこいつらが魔物だ、と錯覚するかも知れない。

だが、実は彼女たちを無視人間や、妖怪に変えてしまったモノこそが真の魔物なのだ!!
 全てを見通すと勝手に思っているホラーのKの心眼は、職員を全く信用せず、
閉鎖的で何もかも隠し、厳しく管理しようとする、組織上層部のエゴや様々な恐れが創り出す
ネガティブなエネルギーが、甲子園の魔物ならぬ、瀬戸の風に潜む魔物だろうと捉えていた!!

 非常事態宣言の原因を全て職員のせいにしている鈴木事務長は、
無意識に自分たちが創り出している物の存在に全く気付いていない。 
しかし、ホラーのKに見つかってしまったからには、この魔物も今までのような好き勝手は
許されないのだった。 1枚、1枚、薄皮を剥がされる様に、真実を暴かれる事になるのだ!
 イ〜 ヒッ ヒッ ヒィ〜イ〜



< 届かぬ健康診断結果の怪 >

 仕事にも環境にも慣れてきた頃、休憩時間にY氏と体調の話をしていると
入社前の健康診断の結果がまだ届いていないのに気付いた。

 ちょうど私より3カ月前に入社した人がいたので、いつ頃貰ったか聞いてみると、
な、な、なんと、まだ貰っていないと言うではないか。 

当施設の理事長で、経営母体の福老会 瀬戸病院(仮称)院長でもある来島先生(仮名)が
経営しているしまなみクリニック(仮称)で、保険が効かないからと言う事で
現金8000円も払ったのに、4か月たった今現在何の連絡もないとの事。

 この年下の先輩・田中さん(仮名)もある意味ホラーな面を持っているのだが、
こんな大事なものをなおざりにするなんて、とんでもない施設だ!!
 私は田中さんになるべく早く貰ってくるように勧めておいた。
 田中さんは「あっ、は〜い」と右斜め上を見ながら返事した。

 次の日、田中さんが紙切れを持って不機嫌そうにやって来た。
 事務所で診断結果の件を聞いたら、「年2回行われている定期健康診断結果は希望者には
配布しているが、採用時の診断結果は配布出来ないので、お見せしますから
必要な所だけ書き取って下さい」と言われその通りにしたとの事。

 田中さんは最近よく喉が渇くと言って水をかなり飲んでいたので、
糖尿かも知れないと心配していたが、やはり要再検査と書かれていたそうだ。

 それを聞いて私は、ワンクッションおいたこの施設ではなく、
直接クリニックに診断結果をくれるよう申し入れた。 

だが、すでに"瀬戸の風"の方に送っているのでこちらにはないとの事だった。 
しかも、再発行すら出来ないそうだ! う〜ん ミステリ〜?

 仕方ないので施設に戻り、田中さんの要再検査の診断結果を無視し、
本人に手書きさせた"影の施設長"と噂されている事務の佐藤女史(仮名)と対決するはめに!!

「佐藤さん、入社前健康診断の結果をクリニックに貰いに行ったら、
もうこっちに送ったそうなのでもらえますか?」

「診断用紙は渡せないけどお見せしますから、必要な所だけ書いてください」

「そしたら、コピーでいいですから貰えますか?」

「裏表両面ありますから、20円になります」  < ついに来たか、よ〜し >

「クリニックで8000円も払っているのに、おかしいやないか! 健康診断した本人に
結果を知らせずタダで個人情報取り込んだ挙句、コピーでもええ言うて譲歩しているのに
まだ金取るつもりか!!ここは健康かどうか分かりさえすればええんと違うんか? 
本来ならここがコピー取って、原本は本人に返すのが筋っちゅうもんやろが〜!! 違うか?」
 と、いう内容の事をホラーのKらしく紳士的にのたまってやると、

「クリニックで8000円払っても、コピー代はこの施設の経費ですから〜」

 <なに〜ぃ! 同じグループやのに、都合のええ時だけ別経費やと〜ォ!! >

「よし、分かった。20円払うからコピーしてくれ。それと、領収書もくれ!!」

「どうするおつもりですか? 領収書なんて。」

「そんなもん決まっとるやないか、クリニックに請求するんよ!!」

「ちょ、ちょっと、そんなことされたら困ります」

 < そっちが困ること平気でやっているのに、自分だけは困りたくないとは、
なんと勝手な論理だぜベイビー >

「わかりました。 今回は無料でコピーしますので誰にも言わないで下さいネ。」

とまあこんな攻防の後、言いたい事は言うたし佐藤女史も折れたので、ホラーのKとしても
相手の立場も考えて、10円だけ領収書なしで払っておいた。 よッ 太っ腹!!

 おそらくこの件も、魔物の永年に亘るプレッシャーにより、必要経費だろうが何だろうが
すべて削減しないといけないと、錯覚させられたのだろう。 
私の言い放った真実の言葉に、少しは目が覚めた事だろう。 
そして後のフォロー、これ即ち愛なんですねェ〜。



 入社間もないホラーのKに照らし出された、この組織の闇に潜む魔物。 
それは、状況に応じて姿かたちを変え、あっちこっちでその分身がうごめいていると見た。
 Y氏や田中さんをはじめ多くの職員が、知らぬ間に餌食にされていた。
 余所では全く通用しないことも、ここでは永年正しいと錯覚させられている事柄が多い。
 私はそれを言葉や行動によって、1日も早く皆が目を覚ますようサポートする事も、
私の奉仕活動だと思っている。 

それにしても、綺麗な外見からは想像も出来ないくらい、ホラーな瀬戸の風の舞台裏。
 これからの私の奉仕活動は、表も裏も忙しくなりそうだ。 
な〜に、その時はスペースラブエナジーをチャージして、
愛に満ちたスーパーホラーのKになって楽しむだけサッ!



< 送 迎 >

 朝夕の送迎時は大忙しだ。 初めの数日は他の職員と一緒に、
利用者の家を教えてもらいながらの送迎だったが、そこで私の得意技に同行職員がサプラ〜イズ!
 地理感にはいささか自信がある私は、1度行くと頭にインプットされるので夕方送る時、
朝と逆のコースをスイスイと回っていると、教える立場の同行職員が不思議そうに
「どうしてそんなにすぐ覚えられるんですか?」と、聞いてきた。 
私は「かくかく...、しかじか...」と理由を教えたが、
それ以降同行する日数が短縮されたのは言うまでもない。

 送迎で何より大事なのは、安心安全な運転だ。 もちろん利用者の乗降時には、
十分に注意を払わなければならない。 いつ、足がガクッとなるか分からないからだ。

 また、車内でも色々気を使わなければいけない。 それは人それぞれ、
色々なタイプの人がいて状態も違う。 中には認知の人だっているので、
いつもいつも同じ事を繰り返している。 だからと言って、軽んじる事は
決して許される事ではない。 その都度誠意を持って受け答えするよう心掛けている。

 利用者同志の会話でも、危うい場面ではそれとなく割って入り、事なきを得るようにしている。
 おかげで、全員送り届けた後は"ホッ"と緊張がほぐれ、心地よい疲労感と充実感を味わうのだ。
 そんなリラックスした心の中では、セルフサービスの"大いなるひとり言"が 
「ホラーのK  ナイスファイト!!」



< 謎の給料事件 > 

 福老会では、何故か今年1月より給料の締めが半月後ろにずれたそうだ。 
去年までは15日締めの、25日振り込みだったのが、末締めの、翌10日振り込みになった。
 私は今年の1月4日入社なので最初から新しい締めだった。 と言う訳で、
2月10日待ちに待った、初給料日様のおな〜り〜。 パチ! パチ! パチ!

 給料日の昼休みには、全職員が印鑑を持って施設長の所へ給料明細を貰いに行くのだが、
突然何かの都合で明日になるとの事。 おそらく振り込みはされていると思うが、
こんな大事な物を何の説明もナシに簡単に遅らせるとは、私には信じられなかった。

 だが、Y氏も田中さんも別に気にしていない様子だし、他の職員も同様に
「あっ、そう!」と簡単に引き下がっていた。 私の野生の勘だと、どうやらこんな事は
たびたびあったようだ。 他の会社では考えられない事なのに、職員の方も感覚が麻痺している。
 さらに野生の勘は、何かいやな予感めいたモノも感じ取っていたのだった!



 家に帰ると普段はおとなしくキュートな妻ハイジが、
不動明王の様な凄まじい形相で駆け寄って来て、私に通帳を見せた。
 見ると給料よりかなり少ない額しか振り込まれていないのだ!! 
「ぬわぁ〜にをぉ〜〜!!」 今度はいつも阿弥陀如来の様に慈悲深い私の表情も、
一瞬で"ムンクのさけび"になっていた。 ハイジは、給料明細を見せろと迫るが、
今日は貰っていないと言うと、今度は「どないになっとんじゃ〜、おまえの会社は〜」
とでも言いたげに、閻魔大王も逃げ出しそうな顔面に変身していた。 

 ほんの少しだけ、ほろぎょ〜さん(大袈裟)に表現してみました。 
よりによって記念すべき初給料で......。 さすがは私の野生の勘、いやな予感的中!!



 翌2月11日は憲国記念の日で事務所は休みだったので、施設長に確認して貰ったのが
2月12日の朝だった。 昼休みには給料明細が届いたので、即チェックしたら、
やはり金額が全然違っていた。 その説明を本部から施設長を通して聞いても、
意味不明な能書きばかりでらちがあかない。 結果、2月13日の昼休みに本部の
鈴木事務長の所へ出向き、この金額の根拠を示してもらう事になった。
 この時、給料計算担当も同席していた。

 それによると、今月は締め変更の境目だったので、全職員12月16日から31日までの
半月分も一緒に支給するように、コンピューターのソフトに入力しているとの事。 で、

1月入社の私については、給料を1、5倍した額を一旦支給し、12月の半月分は休んだ事にして、
その額を控除しているのである。 手当も、保険も、税金までも。

 そりゃあ〜全然でたらめな給料明細になるわなぁ〜。 納得している場合ではない。
「なんで入社もしていない12月分を計算に入れるんですか? しかも、
それを引く為に休んだ事にして、皆勤手当まで飛ばすなんてどういう事ですか?」

「うちは、コンピューターソフトを変更したばかりなので、全員同じ計算方式になります。 
個別に手書きの給料明細は出していませんので。 それと、皆勤手当については、
うちは1月1日と3日は休みでしたが、2日は業務日になっていました。 
Kさんは1月4日からの出勤だったので、1日足りないのですよ」

「あなたが4日から出勤してくれ、と言ったからそうしたのです。 
2日から仕事ならどうしてそう言わなかったのですか? おかしいじゃないですか!」

「それは...、えーと、Kさんは詐欺にあったと思われているかも知れないけど、
正月3が日は悪いかなと思って......」

「しかも、ハローワークの求人票では1カ月22、6日換算で計算していると書いていましたが、
1月は23日勤務しているのですよ。今持っているので見せましょか? 仮に、
1月が1日不足と言う事にしても、皆勤と日割り分の控除より多く差し引かれていますよ」

「そんなに詰めて来られても......。 とにかく、うちの計算方式に従って貰います。」

 他にもいくつか指摘して厳しく詰め寄ったが、鈴木事務長の目付きが怒りに変わった
ので、納得はしなかったがこの辺が引き時だと感じ、仕方なく引き下がる事にした。

 私は力が入っていた為、気が付くと額に汗をかいていた。 鈴木事務長も私が引いて
ホットしたせいか、後頭部まで伸びた額に汗がピッカピカと光っていた。 そして最後に、

「1ヶ月目の人に、給料の事でここまで言われたのは初めてじゃあ〜。 今度から面接の時は、
もう少し気を付けて説明するようにします。 勉強になりました。」と、言っていた。

 1ヶ月目だろうが100ヶ月目だろうが、高給の事務長と違ってこっちは安給料で
頑張っているんだから、たとえ1円でもおかしかったら、真剣に原因追究するのは当然の事。 

ましてや、今回は●万円も違っていたのだから、当たり前だっちゅ〜うの!!

 入社したばかりで短気を起こし、辞める訳にはいかないので、どうにもならない悔しさを
ポジティブに変換出来るまで、一旦腹の中にググッと飲み込んだ。 ホロ苦いぜ!!

 最近になって分かった事だが、福老会では給料明細が遅れるどころか、計算間違いが
多発しているとの事。 単純に足し算が違っていたり、明細書どおりに振り込まれていなかったり。
 それで、気が付いた人が指摘しても次月の給料日まで待たされ、一緒に支払われると言うのだ。 

恐ろしい。 ホラーだ。 「キャッシュで清算したれよ〜!!」

コンピューターソフトが古いとか新しいとか言う前に、入力ミスするな! 
しかも、チェックくらいしろヨ!! チョッと 愛が足りね〜んじゃねえの? 

 鈴木事務長もミスが多発している事は把握しているはずなのに、
何も対策をこうじていないようだ。
 そればかりか、自分の部署のミスなのに平気で次月払いにする思考エネルギー。 

これも正しく魔物の一部だろう。 間違われた職員は、なぜ私の様に直接言いに行かないのだろう?
 どうせ行っても変わらないと諦めているのだろうか?(魔物効果だ)  
いや、1人1人が口を開く事によってのみ、例え1ミリずつでも自分の望む現実に近づけるのだ。
 誰かが何かをしてくれるのを待っていても、何も変わらないぞ!! 

自分の現実は、自分が創造しているのだから。 
                    ☆
 私がかつて経験した事がない非常識の数々。 出て来る、出て来る、後から、後から、
ホラーのオンパレードだ!! しかし、私は負けない。 

1つ残らず青き太陽のもとに、引きずり出して差し上げましょう。

 その日まで、私は負けない。

<おわり>

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